よく仕事がら、FEDEXという宅急便を利用する。FEDEXではトラッキング・ナンバーという番号を使って、ウエブサイトでその荷物がどこまで進んでいるかを知ることができるようになっている。このトラッキングという言葉、なんとなく荷物を運ぶトラックからきていると漠然と思っていたのだが、よくスペルを見るとtrackであって、荷物を運ぶtruckとは違う単語であることに今さらながら気がついた。trackは追跡するという意味であって、tracking numberとは「追跡番号」という、まさに意味どおりの単語だったのだ。
外にtrackを使う単語では、映画音楽などを意味するsoundtrackというのがある。これがなぜtrackかというと、trackには足跡とかわだちという意味があり、soundtrackとはもともとは、フィルムなどの記録媒体の音声信号の録音帯のことなのだ。そのうち、音楽そのものをもsoundtrackというようになったわけだ。
ところが面白いもので、辞書を見ると、soundtrackとは別にsound truckという単語もある。なんとこれは、音を出すトラックということで、スピーカー付きの宣伝カーの意味なのだ。
何かのレコーディングのときに、カタカナ英語の日本人がアメリカ人のプロデューサーに向かって「サウンドトラック」と言って宣伝カーと間違われる光景を想像し、しばし楽しんだ。