この後、3D映画の『シュレック』を見て二人とも寝た。ああいう、ムーミンみたいな「お前らいったい何者よ?」と言いたくなるような登場人物だと物語に入り全然込めず眠くなるのだ。さらに『ホラー館』に入ったら日本にもよくあるお化け屋敷で苦笑(幽霊も化け物もいないことの方がずっと恐ろしい)。さらに『3Dターミネーター』でまた寝た。これは英語が分からないためだと思う。3Dターミネーターは、3D映像とスクリーンの前にあるセットと人がうまく切り替わり、あたかも3D映像が現実世界かのように錯覚させる素晴らしいものだったが、それでも寝てしまった(足立さんなど暗くなったとたんにゴーゴーと息を立てて眠り、クライマックスの爆発音で起きる始末だ)。日本語でもう一度見たいものだ。
あと、動物が芸をやるショー。鳩、鷲、豚、猫、チンパンジーなどを上手く調教し、面白い芸をやっていた。映画には何の関係もないように思われた。
ユニバーサルスタジオの一番人気のアトラクションは『ウォーターワールド』だ。海辺の製鉄所のようなセットの中で、役者たちが爆発や炎の間を縫って水上バイクに乗ったり高いところから飛び降りたりの寸劇をやるのだ。この炎の量が凄くて、観客席で見ていて顔に熱を感じるほどだった。登場人物の海賊たちはやけに悔しがったり啖呵を切ったりしていたがよくわからなかった。これも英語のせいだろう。ただ、仮にストーリーがわかったとしても、アクションはただのアクションに過ぎないので、「疲れるだろうな」と思うだけである。
こうして優待券のおかげですべてのアトラクションを回ったのだが、結局、もっとも面白かったのは最初のスタジオツアーだった。私が期待していたのは、映画づくりの裏側を見たり、映画の中に入ってしまったかのようなファンタジーを体験することだったのだが、ほとんどのアトラクションはちょっと映画にちなんだだけの普通の遊園地だった。そういうのが好きな人にはいいだろう。もともとそういうのは好きではない私が、来て文句を言っているのはお門違いなのだろう。ディズニーランドも「大人が見ても絶対楽しいから行ってみな」と何人もから言われているが、やはりやめておいた方がよさそうだ(隣のフロリダ州のオーランドというところには、わざわざ日本から来る人がいるほど大きなディズニーランドがあるのだ)。