『善人の条件』という映画がある。ジェームス三木という有名な脚本家が監督に挑戦した映画なのだが、これはある点で特異な映画である。
写真をご覧いただければそれが分かると思うが、この濃すぎる面々を見て欲しい。
津川雅彦に丹波哲郎、これだけでも「うわ」という濃さなのに、これに小林稔侍、橋爪功が絡むのだからたまらない。写真には写っていないが、イッセー尾形も入っている。
つまりこの映画は、ジェームス三木が、その人脈を使って、普通ではあり得ないような贅沢なキャストで作られた映画なのである。だいたい、小林稔侍と橋爪功という超クセ者を同時に画面に映すなど、自殺行為に等しい。通常、こういう役者は1作品に一人なのだ。この他に柄本明、西岡徳馬、竹中直人を加えて映画を作ったらどうなるだろうか。一度見てみたいものだ。
内容自体は、面白くなくもないのだが、それよりもとにかく俳優陣の濃さに圧倒されて、そればかり強く感じさせられるのだった。
ちなみに、ウィキペディアによれば、ジェームス三木は新人の頃、名前を覚えてもらえず、「ジュース三本」と間違われたことがあるという。