なんだか「人には挨拶しよう」とか「ゴミを拾おう」などという説教くさい正論を書いているような感じになってしまったが、そう思われるのも本意ではない。
ただ私は、意味の分からない礼儀より普通の礼儀の方を重んじたいだけだ。学生時代、コンビニでアルバイトをしていた友人がいて、彼があるとき「レジでお客さんに『どうも』とか言われるとそれだけで嬉しいんだよ」と言った。それまで私は、店員は仕事でやっているだけだし余計な事を言われても面倒なだけだろう、彼らは機械のように気持ちを殺して働いているのだ、などと漠然と考えていたから、この話を聞いたとき「そうだったのか、嬉しいのか!」と目からうろこが落ちたのだった。
それ以来私は、年賀状は出さないしお土産は買わないし箸渡しはするしご飯に箸を突き立てるしスパゲッティは箸で食べるが、コンビニの店員にだけは声をかけるのだ(文句あるか)。
ただ、コンビニに入店したときに「いらっしゃいませ」と言われるのに応えるのは、さすがに何と言っていいかわからないので「ハイハイ」などと小声でお茶を濁している。かえって異常な客だと思われてるかもしれない。
ちなみに、卓球の選手が指導者に大声で挨拶をしたりコーチひとりひとりに頭を下げたりするのを人間育成だと思っている指導者がいるようだが、私は反対である。そんな異常な行為は礼儀ではないし、社会にでたときにも何の役にも立たない。第一、そんなものはガソリンスタンドか居酒屋で1日アルバイトをすれば覚えられる。もちろん卓球の役にも立たない。中国もドイツも、そして水谷も岸川もそんなことをしていないのに強いことを見れば明らかではないか(韓国は危ないけどな)。