先の忘年会は、私が水曜になっても会場を決めていなかったを知った「教え子」が慌てて予約をしてくれて事なきを得た。
「この忘年会シーズンにまさかまだ予約をしてないとは思いませんでしたよ。『伊藤先生、勉強だけできてもこういうことはできないのかしらね』と母が言ってました。」と言われた。私が苦笑していると田村が調子に乗って「だいたい条太さんは今まで時間なんか守ったことねえもん。話になんないよ。俺はいつも5分前には行くね。」などと言う。5分前どころか、田村は約束もしていないのにいきなり休日の朝7時に私の家の玄関に現れるのだ。
思えば今から19年前、田村は私の結婚披露宴を1日間違えて来なかったのだ。披露宴の当日に、一緒に出席する予定だった友人宅に「明日の行き方」について電話をして母親に「もう行きましたけど」と言われて青くなったのだ。このときの24時間の遅れを取り戻すために、田村は未だに早朝に玄関に現れ続けるのかもしれない。迷惑なことだ。