「通れねっちゃ!」

先週の町内の瓦礫撤去作業のとき、また不快な思いをした。

水没した家にたまった漂流物をゴミ捨て場に移動しようと1ヵ所に集めていたところ、作業の途中でその隣の家のおばさんが車に乗って出てきて、運転席から顔を出して我々に向かって叫んだ。

「通れねっちゃ!」

確かにゴミは道路の真ん中に集めていて車は通れないが、我々がそれを置きっぱなしにするとでも思ったのだろうか。トラックが来るまでの10分ほどの仮り置きに決まってるではないか。それに通れないといっても、反対側を回ればどこにだって行けるのだ。

そもそも、この人を含めた、この通りの住人たちのために瓦礫撤去作業をしているのに、この言い草である。

「トラックが来たらすぐによけますから、済みませんが反対側から回ってください」

と言ったが、ボランティアをするということは、こういう人たちにも我慢して相手をしなくてはならないということであり、底知れない忍耐力が必要なものなのだ。私には無理そうである。私はまだ経験していないが、中にはボランティアに助けられるのが当然だと考えていて「もっと早くできねえのか」なんて言う人だっているに違いない。被災者とはいえ特別な人たちではないのだから、一般の人と同じ確率でオカしな人がいるのは当然である(そんなヤツはテレビに映さないことは言うまでもない)。

写真が問題の通り(瓦礫撤去後)。