黙祷

リビングの壁に貼っている息子たちの小さい頃の写真を見るたびに「もし震災で誰かが死んでいたら」と思うと胸が締め付けられる。一生、写真を見て泣いていたことだろう。クリスマスや正月といった印象深い思い出がある日には特にそうだろう。

あの日、しばらくは一人の行方がわからず、妻は一時、あきらめたのだ。

家族が死なずに済んだ幸運を噛みしめるとともに、家族を亡くした人、亡くなった人に申し訳ないような気持ちになる。