血液型と性格

エセ科学といえば血液型と性格の関係だ。Yahoo!におかしな記事が出ていた。
http://netallica.yahoo.co.jp/news/277063

デスクトップがどれだけ整理されているかを、963人に聞いたそうだ。
よりによって「本人に聞いた」というところが可笑しい。
これでは実際に整理されていたかどうかと、それを本人がどう評価したかが混じった結果しかでてこない。いったい何を調査しようとしたのだろうか。
しかも結果は血液型に有意差なし。当たり前だ。

血液型と性格が関係がないことはとっくに証明されている。そもそも日本での最初の大がかりな研究は1926年に旧陸軍で行われたものだ。血液型と性格に関係があれば、それを利用して効率のよい軍隊を組織しようとしたのだが、結局、何の関係もなくて使えないとがわかったのだ。その後も何度か統計が取られているが、一度も有意な結果は出ていない。血液型性格判断が信じられるようになったのは、能見正比古という放送作家が何の根拠もなく自分の周りの少数の人間の血液型をもとにデタラメに理論を作って本を書いたのが始まりである。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%83%BD%E8%A6%8B%E6%AD%A3%E6%AF%94%E5%8F%A4
血液型と性格の関係は、そもそもの始まりからまったくのヨタ話なのだ。

血液型と性格に関係がありそうに思えるのは、あてはまる部分、当てはまる人を見つけているだけのことで、占いと同じである。私だってそう感じることはある。しかしいくらそう感じても、統計で明快に否定されている以上、その直感は否定しなくてはならない。「統計で否定されていてもなんとなく関係がありそうな気がする」と自分の感覚を優先する考え方は「放射能の影響がないとわかっていてもなんとなく福島から来た人には近づきたくない」という考えと同じ心理である。自分の直感や感覚を否定し、事実を根拠にして行動を決めるべきなのだ。

血液型性格判断が一つだけ性格の判定の役に立つことがあるとすればそれは、「科学的根拠がない」という話を聞いていながらなお血液型の話などする奴はバカだということだ(献血や輸血の場面を除く)。