男子団体

男子団体は残念だったが、香港が異常に強かった。ラストの丹羽の試合なんか、フォア前に浮いたボールを丹羽がクロスに飛び込んでバック側に打ったら、唐鵬のヤロ、なんとバックサイド深くに待っていてフォアハンドでガバーっとストレートにカウンターだもの。おいおい、どこにいるんだよ唐鵬。そんな戦術ありえないだろ。っていうかそれ、戦術なのか?

まるで野球のバッターの正面に立ちふさがってバットから直接グラブで受けて「ハイ捕りました」ってなことじゃないか。

岸川が自ら認めているように特に受身だったように見える。確かにもっとリスクを犯す卓球をすれば勝ったかもしれない。しかし、そもそもリスクを犯して勝つことは誉められたことではないのだ。リスクを犯さなくても勝つぐらいの地力をつけなくては、結局は安定して勝つことはできない。いちかばちかの卓球ではダメだ。岸川は、危ない卓球をしなかったことを悔いるのではなく、安全にやって相手をヒネるような卓球を目指して欲しい。日本人は「肉を切らせて骨を絶つ」みたいな玉砕戦法が好きで、そういう論評をしがちだが、それでは絶対にだめだ。中国のように徹底した安定志向でなおかつ威力を出さなくてはならない。

丹羽もラストで負けてしょげていることだろうが、気にすることはない(気にしろったって気にしないだろう。そこがいいところだ)。ボルだってクアランプールで松下に負けたのだ。負けても表情ひとつ変えない丹羽が本当に頼もしい。鉄の精神力を持った侍だ。