日本語字幕のついた『スウェーデン時代』が昨夜届いた。
なりゆきで宣伝用のダイジェスト映像を作ることになって作業をしている。内容的にはどの場面も捨てがたい一方、映像的にインパクトのある部分はそれほどなく、台詞がいい感じの部分を拾ってみている。さて、どうしたものだろうか。
DVD『ザ・ファイナル』のウェブでの注文受付が始まったようだ。
全日本で撮影が終わると、撮影を担当してくれたプロダクションから、カメラ4台で合計70時間分の映像が入ったDVDが15枚送られてきた。画面には撮影日とカメラとタイムコードが写しこまれている。これを見ながらパソコンで必要なラリーをつなげてDVDに焼き、それをプロダクションに送り返して高画質で編集をしてもらうのだ。まず70時間見るのが大変だった。70時間ということは、1日8時間づつ見て9日だ。もちろん、ラリーの間などは早送りをするから実際にはそれより短いが、それでも大変な量であった。
それらの映像から、ファインプレーや面白いアクシデントなどを選んで80分ほどのDVDを作るのだが、問題は、どの程度のプレーを選んでいけば80分になるのか見終わるまでわからないということだ。70時間を見直すわけにはいかないから「これは使うかもしれない」と思うものをすべてマークしていって、徐々に候補を絞っていき、最後に80分にするという作業になった。
このようなことで、大変効率の悪い作業であったが、プレーの水準がだいたいわかってきたので、来年はもっと効率よくやれることだろう。
宣伝ページとYoutubeに2分間のダイジェスト版がアップされたのでご覧ください。
http://www.world-tt.com/ps_book/dvd.php?lst=2&sbct=0&dis=1&mcd=CZ021&pgno=1
昨日、編集部から『ザ・ファイナル』のサンプル版が送られてきたので、さっそくウェブでの宣伝用に2分間のダイジェスト映像を作った。『ザ・ファイナル』自体が全日本のダイジェストなので、ダイジェストのダイジェストということになり、なんだかとっちらかってしまったが、ともかく完成させ今朝、編集部に送った。近々宣伝ページにアップされることだろう。あまりのかっこよさに腰を抜かすこと間違いないので接骨院を予約しておいた方がよいだろう。
それにしても、撮影前は、たった6日間の撮影でそんなに都合よくスーパープレーや珍プレーがあるのだろうかと不安にもなったが、できてみると今まで作らなかったのが不思議なくらい「作って当然」の作品になった。全日本は映像素材の宝庫だったのだ。
この作品が市場でどの程度受け入れられるかは未知数だが、少なくとも「自分が見たいと思う作品を作る」という目標は達成できた。編集しながら何十時間も映像を見たのに、未だにスーパープレー集に興奮し、珍プレー集にニヤリとし、最後の歴代優勝者の名前が出るところで目頭が熱くなる(鉄道マニアが時刻表を見るだけで嬉しいのと同じだ)。
卓球の映像作品における私の手本は明確だ。卓球王国2010年7月号でも取り上げた、米国リフレックススポーツ社のスーパープレー集『Wonderful and Wacky World of Table Tennis』だ。卓球をどのように撮影し編集をすれば面白くなるか、その答はすべてこの作品の中にある。ある時期は会社の昼休みも毎日弁当を食べながらこれを繰り返し見ていたので、少なく見積もっても通しで500回は見ていると思う。それほどこの作品は絶対的に素晴らしい。この作品の魅力を構成している、カメラワーク、編集、BGM、珍プレー集などをすべて吸収し、それに大会のドキュメンタリーとしての記録性を加えたのが今回完成したDVD『ザ・ファイナル』なのである。まだまだ及ばないところも多いが、全日本のダイジェストならではの魅力もあるので、まずまずのものになっていると思う。
DVDの製作が決まってからは、これまでのようにテレビ局やITTFに撮影の仕方を提案することを一切やめた。それどころかそういうことをしてきたことを後悔した。だって今ごろ思い出して改善されたりしたら私の出る幕がなくなってしまうではないか。
実際には、相変わらずメインカメラの位置は高いし床からはアップでボールを激しく追って見にくい撮影をしてくれているので、なんとも心強い限りである。テレビ局とITTFは、変な気を起こさずぜひともこの調子でやってほしい。
そろそろまた『ザ・ファイナル』の撮影の裏話を書こう。
今回の作品は、とにかくエンタータイメント性を重視したので、見栄えのするラリーが期待できるカットマンを優先して撮影することをあらかじめ決めていた。撮影の一部を担当した編集部の高部さんが「あのう、なんかカットマンだらけになっちゃってますが・・・」と不安そうな顔をしたものだった。「大丈夫、続けてください」と言いながら何かとんでもない間違いをしでかしているような不安に駆られたことを白状しておく。
しかし結果としては素晴らしいラリーや偶然が生んだ珍プレーなど貴重なカットを撮影できたので、正しい作戦だったと思う。
常時4台のカメラを回したはよいが、ひとつの試合を複数のカメラで撮影した場合は同じラリーを捉えた映像が4種類あるわけで、編集のときに選択肢がありすぎて頭を悩ませた。いっそのことカメラが1台しかなかったらどんなに楽かと思うものの、素材があるからにはベストのものを選ばないわけにはいかない、そういう不思議なジレンマだ。困ったのは、角度の関係で映像にカウントが映っていないし審判のコールも不明瞭なので、プレーそのものからしかラリーを特定できないことだ。
まあ、そうやって悩むところがまたいかにも創作活動をしているようで楽しかったわけだが(家の者にはどうもそうは見えなかったらしい)。