昔の自分に言いたいこと

昨夜は、職場関係のメンバーと今年何度目かの忘年会をした。

参加をしたTさんは、最近テレビだかネットだかで見た「同性の俳優の顔になれるとしたら誰になりたいか」というアンケート結果の話をした。その結果、1位になったのは男性は福山雅治で、女性では北川景子だったという。このとき女性の名前がなかなか思い出せず、オーダーをとりに来た女性店員に「○○のコマーシャルに出ている人、なんていう名前でしたっけ?」と聞いて、その店員に話しかける機会を作るという、高度な技術まで披露した。

さて、自分なら誰になりたいかという話になったが、Tさんも私も「自分以外の誰にもなりたくない」というものであった。そこから幼少時代の話になった。

Tさんは子供の頃、何をやっても他人よりうまくできず、自信のないもんもんとした少年だったという。異性を意識するようになる中学生時代にはそれがさらに極端になり、大学時代にはその反動で「ポパイ」などを読み漁って「こうすればモテる」という記事を本気にして自分に合わないことをやっていたのだという。女性とデートをしたときに車のトランクから薔薇の花束を出して引かれたり(もちろん付き合ってもいないのにだ)、思い出すとギャッと言いたくなるようなことをしていたそうだ。

最近、そういうことを思い出すにつけ、子供のころの自分に会って「自分らしくあれ」と言ってやりたいという。

一見、月並みな台詞だがこれは私にも響いた。思えば私も大学生の頃はアイビールックに身を包み、革靴などを履いたり、ときには襟なしシャツなどを着たりしたものだ。ところが、それらの施策が実を結んだと実感したことは一度もなかった。何事も自分に合わないことをやってもダメなのだ。そのようなことに気づいたのはずっと後のことだった。

私も若い頃の自分に言いたい。「似合わないことは止めろ、そんなことをしても無駄だから別のことをがんばれ」って。

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