表現の違和感

卓球がテレビで取り上げられるのに慣れてくると、今度はアナウンサーのセリフに対する違和感が湧き上がってくるのだから贅沢なものだ。

石川や福原が攻撃すると「得意のフォアハンド!」と言うが、それは誰でもだ。バックハンド攻撃の方が得意なのは歴史的にもグルッパ(古い)かクレアンガぐらいのもので、世の中の卓球選手は誰でもフォアハンド攻撃の方が得意なのだ。フォアハンドが苦手な人というのはすなわち卓球が苦手な人であって、オリンピックになど出ていない。

石川の得意な戦術やら特徴が「3球目攻撃」などと言われるが、来た最初のボールを攻撃するだけなのだから、戦術も何もない。それができたら誰だってやりたいのだから戦術というほどのことではないのだ。ホームランを打った野球のバッターに対して「ホームランを打てるのが特徴」「ホームランが彼の戦術」と言うようなものだ。

3球目攻撃が素晴らしいということは卓球が強いということであって、特徴でも戦術でもないのだ(3球目攻撃がそれほどでもないけど強い攻撃選手がいたら教えて欲しい)。

そのあたりを解説の松下さん、宮崎さんにちゃんと解説してもらいたいが、おそらくプロデューサーに阻止されるのだろうな。「難しいこと言わないでください」って。

表現の違和感” への 14 件のコメント

  1. 私のアイドル、カラカセビッチ先輩もバックの方が得意と言えそうな気がします。

    テレビの解説で気になるのは粒高と表の混同ですね。
    ついさっき、女子団体でハン・イン対石川を見てましたが、粒高使いと解説されていたハン・インのラバーはどうみても表(多分スペクトル)。
    異質ラバーと特徴をどう伝えるかというのは観るスポーツとしての卓球を普及させるための大きな課題だと思いますね。

    1. そうですよね。そんなにはしょらなくても説明のやり方があると思うんですが。本当に残念です。カメラ位置は高すぎるしね。

  2. ごもっとも。結構ツッコミたい場面があります。そんな時、宮崎さんは一瞬の間があったりしますが、スルーしていて大人だなと思ったりします。
    宮崎さんのコメントは流石良く判っておられる方だなと思わせられます。
    女子がドイツに負けてイラついております。

  3. 水谷と馬龍の試合の時に中国応援団の加油コールをジャポンコールって言ってリオの観客を味方につけたとか言ってるアナウンサーにはツッコミ入れて欲しかったです。
    勘違いは恐ろしい。

    1. あれにはガックリですね。話としては感動的ですが誤解では恥ずかしいですね。

      1. いや、テレビで聞いている限りですが、現地の人が大声で盛り上がっていたのは間違いなくジャポンコールでしょうね。

        卓球好きの方ならおなじみですが、中国の応援団は今回も「選手名+加油(あるいは「中国隊+加油」)」のコールをしていたのがはっきりと聞こえましたけれども、それとは明らかに異なりましたし、馬龍戦以外の中継でも同じコールがあったので「馬龍」と叫んでいるわけでも無い。

        判官贔屓が多分にあってジャポンコールになったんでしょう。もつれた試合になった方が面白いですし。

  4. もう一つ、私には中国系選手名の呼び方に違和感を感じてます。
    コウキンテツ!、トーホー!って呼んでも、「ん、ナーニ?」って応えてくれないと思うんですよね。背中にはアルファベットで表記してるし、そもそも国名はホンコンって言ってるし、呼ばれる選手としても気持ち良くないと思うのですが、何とかならんのでしょうか。ならんのでしょうね。
    卓球王国の誌面ではそれらしい振り仮名になっていてイイナと思います。

    1. 中国と日本はお互いに人名は自国の読みをする協定みたいなものがあると聞きました。ですので、テレビでは頑ななまでに日本語読みします。
      もっとも、卓球ファンじゃないかぎり漢字は日本語読みするのが読みやすく覚えやすいわけですし、卓球ファンであっても本人に呼びかける機会はないので日本語読みでよいのではないでしょうか。荘則棟はソウソクトウ、江加良はコウカリョウでよいのです。
      国際試合での表示が英語なので誰だかわからない不便はありますが、それも卓球ファンだけの都合なので、ここは一般視聴者の都合を優先して日本語読みでよいと思います。

  5. 卓球のトップ選手の技術における得意、不得意は必ずしも本人の気持ちにはよらず、他の選手との相対的関係により表現されることが多いと思います。本人がどんなにその技術が得意だと思っても、他の選手よりも下手ならそれはあまり得意とは言われません。サムソノフが3球目攻撃が得意だとは聞いたことがありません。

    1. たしかにサムソノフはそう言われたことはないですね。しかしサムソノフぐらいしかいないのではないでしょうか?
      例外がひとりしかいない(もう少しいたとしても)ようなことを「石川の特徴」といわれるのは違和感があるわけです。

      1. 3球目攻撃が特徴と言われる選手は、他の選手よりも1)サーブが良い、2)3球目攻撃での得点率が高い、のだと思います。3球目、5球目までのラリーが多い選手ともいえるでしょうか。石川はサーブが上手く、ドライブもパワーがあり、当てはまります。岸川、丹羽、セクレタンなどはこれらにあてはまりません。

        1. たしかに岸川選手にはそういう感じはしませんね。セクレタンまで遡ればそういう選手もいるでしょう。アペルグレンもです。
          しかし、現代卓球で半数以上もの攻撃選手に当てはまるようなことを「特徴」とか「得意」と表現するのはやっぱり違和感があるのです。
          たとえば現代の男子の攻撃選手はドライブを多様する選手がほとんどですが、中には表ソフトでスマッシュを多様する人もいます。だからといってドライブをする選手を「ドライブが特徴」と言ったら変なわけです。
          実際、張本智和がテレビで特集されたとき「得意なのはドライブ」と紹介されたので失笑しました。

          1. 初めに述べたように、他の人との比較の問題だと思います。現代で3球目攻撃な下手な1流選手がいるとは思いませんが、同レベルの選手との相対的な比較で優れていれば、それは特徴、得意といい、それほどでもなければサムソノフのように特に得意とは言われない、という事です。張本が同レベルの選手と比較してドライブが特に上手いとは思いません。同レベルとの比較ということが重要だと思います。

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