張本のチキータ

張本が水谷に勝ったことがいろいろな番組で取り上げられている。水谷の気持ちを思うといたたまれないが、水谷のコメントは王者の風格があったし、ともかく男子の卓球が取り上げられることは、卓球ファンとしては嬉しい限りだ。

数年前までのことを思えば本当に夢のようだ。

中には、卓球の技術的な解説をしようと頑張る番組もあって微笑ましいが、残念ながらまともな解説はほとんど見られない。

昨日のフジテレビの『直撃LIVE グッディ!』という番組では、張本のチキータと水谷のチキータの差を解説していたのだが、なんとも面白い放送だった。

張本と水谷のチキータの映像を並べて比べて画面に赤丸を表示して、その打点の違いに注目してほしいなどと言っている。「張本のチキータの方がネットの近くで打つ」というのだ。

ところがだ。その赤丸の位置は水谷の方がネットに近いではないか(笑)。

打球点も写真からはどちがネットに近いかは判断しがたい。

そもそも、テニスやバドミントンじゃあるまいし、卓球は台に弾んでからしか打てないのだし、チキータはその性質上、頂点付近でしか打ち得ないので、実質的に打球点は相手のボールで決まるのだ(バウンド直後にチキータ打てる奴がいたら連れてこい!)。

そして、そして、そもそもこの映像で張本がやっているのは、チキータではなく、普通のバックハンドなのだ!

以上、二重三重の間違いが凝縮された、非の打ちどころのない間違った解説であった。

卓球は確かに難しいが、これは・・・誰かに聞けばよかったのではないだろうか。

いや、そもそも打点の違いなどという発想がマニアックな卓球人の発想だから、恐らくこれは、卓球人から聞いた話を参考に、映像から該当しそうな部分を見つけて解説したものだろう。

したがって、聞かなかったのではなく「中途半端に聞いた」のが敗因とみた。

張本のチキータ” への 4 件のコメント

  1. 私も偶然見る事ができました。
    技術だけでなく、勝ち進んだ場合の対戦相手なども間違っていて、ただ話題に乗りたくて作りました感が強くてとても残念でした。
    私は半分間違った事を言っていると思って、卓球を取り上げている番組を見ています。

  2. チキータは素人には相当わかりづらいらしく、私の家族も何が特別なんだからわからない様子。そもそもあのカメラあのカメラアングルでは、台上かどうか素人目にはわかりづらい。
    でも今回のテレ東の実況の方は慣れてますね。けっこう的確でこなれてきた感があります。惜しむらくは、卓球がわかりにくいせいでしょうが、解説も含めて、むやみやたらに盛り上げようとするのがなんか慌ただしくて見づらい。

    1. 私ならチキータの解説は、曲がることよりは、ドライブによる安定した軌道と球速を実現する手段としての
      「台の表面とネットの高さの間のわずか16センチ強の空間でボールを激しく擦り上げる技術」
      と定義して、その価値と難しさを表現します。
      視聴者がわからないからこそ解説が必要ですよね。

      1. なるほど、いわゆるフォームではなく物理的な現象として難しさを伝えるということでしょうか。多様なカメラアングルで解説できるとよいのでしょうけど、まだ放送技術というかノウハウみたいなのか、欲しいアングルがなかなか出てこないですよね。
         ツイッター上でもチキータわからんという意見がみられます。

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