ピータースの思い出

ピータースは本当に愛すべき卓球ジジイだった。

小さな町で歯医者をやっていて、十分にお金があり、家自体にはさほどお金をかけないかわりに家中を好きなもので埋め尽くしていた。ハンドソウの川又さんの工作室を見たとき、最初に思い出したのはピータースの部屋だった。

好きなものは、私が知るだけでも、卓球、鉄道模型、武器(銃とナイフ)だ。

以下は、最後に会った2010年7月の写真だ。

天井近くの壁に貼ってある模様みたいなのは、ラバーのパッケージだ。どれだけ好きなのだろう。

これだけ大量に持っているくせに、使った後のラバーをきちんとファイルしてあるところが可愛い。

こんな模型が壁一面を上から下まで埋め尽くしているのだからたまらない。

これが卓球台の周り3辺を取り囲んでいる模型の線路だ。

模型作りの工作机

いきなり飛び出す武器たち。言うまでもなく本物だ。

銃だらけの部屋もあったが、あまりの恐怖で写真は撮らなかった。

書斎だかなんだかわからないが大量の本、ビデオ、オーディオ機器。2001年に行ったとき、案内された部屋だけで目についたビデオデッキを数えたら17台あった。

深夜まで練習して教えている生徒たちと卓球談義をするピータース。

 

これが今生の別れとなった。

会っているときは腹いっぱいだったし、面倒な人なのでそう会いたいとも思わなかったが、いなくなるのは寂しい。いつまでもいてほしかった。

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