マンガ論

全日本のときには親戚の家に泊まった。
そこで、久しぶりに会うおじちゃんとおばちゃんとゆっくりと話し合った。

私の小さい頃の話になり「条太ちゃんはマンガ家になりたかったのよねえ」と言われた。それでマンガの話になった。私が吉田戦車と高校の同級生である話が出たので「おばちゃんが読んでも面白くないですよ」と言った。なにしろそのおばちゃんは亡くなった祖父の妹であり、80歳を過ぎているのだ。

それで彼女が「最近のマンガは全然面白くない」と言う。「面白かった昔のマンガってたとえば何ですか」と聞くと「のらくろ」だそうだ。

不条理マンガどころか、戦前のマンガである。山上たつひこも赤塚不二夫も手塚治虫さえもすっとばしての話である。面白いも面白くないも、そもそもマンガを読まない人なのだから無理もない。