毎週やっている町内の卓球クラブに、スポーツ狂のご婦人が小学生のお子さんを連れてやってくる。
先週、珍しく本人が来ず子供だけが来て「お母さんは今日はテレビでバレーボールを見るので忙しいので来れないそうです」と言った。意味は分かるが、テレビを見るので「忙しい」というところがなんとも可笑しかった。いったいどんなに「忙しく」テレビを見るのだろうか。こんなことを言って嫌味に取られるのも困るので、ひとしきり笑った後は、しつこくは言わなかった。無論、忙しいというのは言葉のあやで、ただ都合が悪いと言いたいだけであることは分かっている。分かっているけど、そういう言葉尻を捉えて笑うのが私は大好きなのだ。
クラブが終わる頃、ご婦人が子供を迎えにやってきた。バレーボールでは無事に日本が勝ったそうで上機嫌だった。話を聞いてみると、その人は日本が得点するたびにテレビの前でご主人とハイタッチをしていたという。面倒くさがるご主人に「これだけはやらせて」とお願いをしながらのハイタッチだったそうだ。してみると、この人は本当にテレビの前で忙しくしていたわけで、子供の説明そのままだったわけだ。
これはこれで可笑しく、あらためて笑い直したことは言うまでもない。