飲み会ではもう一つ可笑しいことがあった。
飲み会の目的は、職場異動や退職をする人たちの送別会だったのだが、送別される本人が飲むとすぐに寝る人で、飲み会が始まって間もなく完全に意識を失ってしまった。
最後の記念品贈呈のときもまったく起きる様子がなく、ついには本人の意識がないままに床に寝せて記念品贈呈と記念写真を撮ったのだった。記念写真をとるためにみんなに囲まれた様子が、まるでゴルゴダの丘から運び降ろされたイエス・キリスト様のようで可笑しくてしかたがなかった。
この彼は、飲み会では毎回これで、本人は飲み始めたところまでしか記憶がないのが常だという。さらに、家でも毎晩酒を飲んでこのような状態になっているのだという。なんとも凄まじい人だ。これも、日本全国いたるところで繰り広げられる心温まる光景だ。