Youとキミ

私がショーンに語った「キミがやりたいなら・・」という台詞がちょっと日本語としては違和感がある。英語でyouと言った文章だからキミと訳したのだが、実は日本語では普通はこうは言わない。「お前」と言える間柄でなければ「ショーンがやりたいなら」と名前で言う。「あなた」でも「そちら」でも「お宅」でもおかしい。どれもこれも何かの色を帯びているので相応しくない。だから目の前の相手に対しても名前で言うことになる。

それで、困るのは初対面で名前を知らない相手と話すときだ。まず名前を聞かないと会話がしにくいのだが、youと言えないのでその名前を聞く質問ができないのだ。「あなたのお名前は?」「お宅さんのお名前は?」「そちらさんのお名前は?」「お手前の・・」もういい!どれもこれもおかしい。しっくりくる言い方がないのだ。それで、youを省いて「失礼ですが、あの、お名前は?」なんて聞き方になるわけだ。こういうときは本当に日本語は不便だ。