バリさんとの邂逅

今月発売号にバリー・ヘイター、通称バリさんのことを書いた。

実は、居酒屋でインタビューをする前に、編集部の練習会にバリさんを招き、練習をしたのだった。バリさんはみんなより1時間ほど遅れてきたが、台につくなり水平度の調整を始めた。あまりに評判どおりの行動に、喜んで写真を撮った。

一番弟子の戸田からはバリさんの卓球について「試合で点をとるために必要な技術以外は何ひとつ身につけていない」究極の実戦的卓球であることを事前に教えてもらっていたが、試合をしたらやはり簡単に負けた。

編集部の渡辺くんや佐藤くんなどはちゃんとバリさんに勝って面目を保っていた。また、偉関絹子さんももちろん勝っていた。

インタビューのとき、奥さんとの馴れ初めも聞いたのだか、バリさんは「私、男女の区別しないんデスよ。いや、ヘンな意味じゃなくてね」と言ったのが可笑しかった。誰もそんな勘違いしないって(笑)。日本語が流暢にもほどがある。

それにしてもバリさんの卓球への執念は深い。卓球への執念の根拠に戦争体験まで持ち出されては、並の選手はとても適わない。