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タイムアウト 王皓6-3パーソン

パーソンのベンチがタイムアウト。

パーソン、レシーブはほとんど全部フリックでミスがない。王皓の変化サーブに対してどうしたらそんなことが可能なのか。しかもただのフリックではない。逆モーションで抜いたりしているのだ。ストップ、ツッツキなしである。

王皓11-7パーソン

ゲームカウント 王皓3-1パーソン

台上でもパーソンがレシーブフリックで抜いたりしている。軽く打ったドライブも回転が予想以上でオーバーミス。

しかし安定性の点で王皓が取った。最後はパーソン、サーブミス。

王皓2-1パーソン

3ゲームめはパーソン

1ゲームも2ゲームもパーソンは9点取っている。

気になるのはパーソンの表情がかなり疲労困憊なこと。王皓は緊張はしているが披露は見えない。

王皓の勝ちパターン

巧妙極まりない裏面サーブをパーソンがまったくレシーブできない。回転がわからないのでストップすれば高く浮いて王皓が身を乗り出すようにして台上ドライ一撃でしとめる。台から出れば小さい体を一杯に使って目にも留まらないドライブでパーソンのフォアミドル、次のボールでバッククロスシュートドライブで抜く。ボールのあまりの速さと打点の早さにパーソン、ほとんど反応できず成すすべがない。

パーソンの勝ちパターン

パーソンは大男のくせに小技が得意だ。手が長いので台から距離をとっていても手を伸ばすだけで前で打球できるため、絶妙なストップやフリックが楽々とできる。フォアクロスを攻められればこれも簡単に手が届くので人をバカにしたような台外ストレートで王皓のバックを攻める。王皓がやっとブロックをしたらそれをコブラの一撃だ。

王皓が多少攻めてもなにしろ両ハンドブロックが卓越しているのでいくらでもブロックできる。王皓が疲れて攻めの手がゆるくなってきたら「それでは」とうやうやしく回り込んで広角ドライブでバキバキと攻め立てる。

王皓、勝つすべがない。

もうすぐパーソン対王皓

気持ちとしてはぜひともパーソンに勝ってもらいたい。しかし、卓球というスポーツが、40歳をすぎて一度引退した選手でも勝てるようなスポーツだというのもまた受け入れがたい(神の子ワルドナーなら別だ)。やはり王皓の精緻な現代卓球の前にはパーソンの古い卓球は屈するべきだろう。

つまりどちらが勝っても嬉しいし、不満が残るということだ。贅沢な悩みだ。とにかく世紀の準決勝なのだから、ワンサイドゲームだけは避けて欲しい。競りに競ってほしい。それさえあればどちらが勝ってもこの上なく楽しい夜だ(こっちの夜9時から試合開始なのだ)。

無冠の帝王 ゾラン・プリモラッツ

パーソンに負けたプリモラッツ(クロアチア)もなんとも気の毒なことだ。87年にニューデリーで世界選手権のダブルスで準優勝して以来、数々の戦績を収めてきたが、ヨーロッパ選手権、世界選手権、オリンピックの優勝は一度もない無冠の帝王だ(2位、3位は何度もある)。http://ja.wikipedia.org/wiki/ゾラン・プリモラッツ

そのプリモラッツが40を目前にしたオリンピックで奇跡的に準々決勝に進んだというのに、よりによって更に年上のパーソンに敗れるとは。プリモラッツがデビューしたときはすでにパーソンは名のある選手で、その後も飽きるくらい対戦し、たまに勝つことはあっても、ビッグトーナメントではことごとく敗れてきた。そして2008年北京オリンピック。「こんなところにまでパーソンがいるのかよ」「勘弁してよ」「頼むから早く引退してくれ」と言いたい気持ちだろう。