ペンホルダーツブ高という特異な戦型は、トップ選手の中にはほとんどいないが、中級以下では意外に日本に広く分布している。
今回は、中目卓球ラウンジで、ペン粒3フェイズ飲み会を敢行した。
すなわち、日本最強のペン粒の呼び声高い小島さん(タクティブ)、中級代表の馬渕さん(テレビディレクター)、初級代表の高部さん(卓球王国編集部)だ。
ペン粒になった動機が色々と楽しかったのだが、非常に大きな収穫は、彼らは自分のボールが揺れたと思ったことは一度もないということを聞けたことだ。
私は長い間、ツブ高のボールが本当に揺れるのか、錯覚なのかを考えていた。というのも、かつて私は自宅に卓球台とマシンがあり、それで粒高を使って揺れるボールを出そうと、色々なボールに対して色々な打ち方をしてみたのだ。ところが、とうとう揺れるボールを出すことはできなかった。そこで、ツブ高が揺れると感じるのは、予想と軌道が違うことで一瞬視線が迷い、それで揺れると錯覚するのではないかという仮説を立てた。
その後、卓球に詳しい物理学者にこの仮説をぶつけたら、「あなた、目は大丈夫ですか?揺れるでしょツブ高」とバカにされ、揺れる原理を気流だのなんだので説明されたものだった(今も根に持っている)。下手に物理学を知っているとこうなる。理屈より前に、本当に揺れているかどうかの確認をすべきなのだ。
無回転のボールが左右に揺れる場合があることは、サッカーボールかバレーボールで連続写真で確認されている。だからといって卓球のツブ高でも揺れているとは限らない。そういうことは測定してみるまで信じてはいけない。
本当に揺れているのなら、自分が打ったボールを正面から見ている打球者にこそ見えなくてはならないが、ツブ高使いの彼らが生まれてこの方、相手から「今の揺れた」とは何度も言われたが、揺れたと思ったことは一度もないというのだ。
なんと素晴らしい証言だろう。
中学1年から卓球を始め、ツブ高が何かも知らない段階で顧問の導くままにペン粒になり、今では日本最強のペン粒とも言われる小島さん。
バタフライの『ビデオ卓球教室 異質反転型』を見て、駅から自宅まで歩きながら反転することだけを学んだという馬渕さん。ついついスマホを反転させてしまうらしい。
大学から卓球を始め、ツブ高ほど素晴らしい戦型はないと言い切る高部さん。料理のメニューまで反転。アルバイトのときは金づちをペン持ちして反転していたというどうでもよい経歴を持つ。
そのうち、座談会として記事にしたい。