イエス様の降臨

飲み会ではもう一つ可笑しいことがあった。

飲み会の目的は、職場異動や退職をする人たちの送別会だったのだが、送別される本人が飲むとすぐに寝る人で、飲み会が始まって間もなく完全に意識を失ってしまった。

最後の記念品贈呈のときもまったく起きる様子がなく、ついには本人の意識がないままに床に寝せて記念品贈呈と記念写真を撮ったのだった。記念写真をとるためにみんなに囲まれた様子が、まるでゴルゴダの丘から運び降ろされたイエス・キリスト様のようで可笑しくてしかたがなかった。

この彼は、飲み会では毎回これで、本人は飲み始めたところまでしか記憶がないのが常だという。さらに、家でも毎晩酒を飲んでこのような状態になっているのだという。なんとも凄まじい人だ。これも、日本全国いたるところで繰り広げられる心温まる光景だ。

職場の飲み会で卓球談義

昨夜は職場で飲み会があったのだが、とても奇妙な体験をした。

卓球のことはほとんど知らないという同僚が「日本の卓球はなぜ中国に勝てないのか」と私にからんできたのだ。彼が言うには、卓球は四角いのと丸いののたった2種類のラケットしかない。ラバーも赤と黒しかない単純なゲームなのになぜ返せないのだとのことだ。

ロッテルダムで福原が中国のカットマンに負けた試合について「カットなんてのは俺が中学校の頃から卓球部のやつらが言っていたことだ。それを未だに返せないとは卓球の戦術は進歩していないじゃないか」などと言う。

なにしろベロンベロンに酔っ払っていて、なおかつ根本的に卓球を理解していないので、彼の力説ぶりがとても可笑しかった。

感心なのは、彼の高校生の娘さんは卓球をやっていないのに卓球ファンであり、日本だけが「後加工禁止ルール」を守って損をしているなどと踏み込んだ話をするのだそうだ。偉い女子高生もいたものである。

彼は別に卓球に文句をつけようとしているわけではない。ロッテルダムで岸川・福原組が銅メダルを獲ったときは家族で祝杯を上げたというほどの熱い男なのだが、根本的に卓球を知らないだけなのだ(それで熱くなれるというのも不思議だが)。

さてこの宴会でくだを巻く大人の姿、まだお酒を飲んだことのない青少年のみなさんから見て、楽しそうで羨ましいのか醜悪なのかどちらだろうか。なお、彼はこの後、2次会を前にして猛烈に具合が悪くなり、姿を消してしまった。

日本全国いたるところで繰り広げられる心温まる光景だ。

オバマ大統領とキャメロン首相が卓球

今日、仕事をしていたら今野編集長から電話がかかってきた。
「条太さん、ヤフーのトップニュース見た?」
なにやら緊急のようだ。
「見てませんけど、何ですか?」
「いや、自分で見てください。ビッグニュースですよ!」
胸騒ぎがする。蔡振華が脱税で捕まって自殺したとか、はたまた米国大リーグの最終戦を仙台での卓球勝負に決定したとか、何か途方もないことが起きたのだろうか。

「今、パソコンを見れないんで、教えてください」
「ダメ。自分で見てください。びっくりしますよ。」
「待てませんよそんなの!ぜーったい今教えてください!」
「しょうがないなー。あのね、ヤフーのトップニュースでね、オバマ大統領とキャメロン首相が卓球してるんですよ」
「ああ、そうですか。それで・・ええっと・・何ですか?」
「いや、それだけなんだけど。卓球は国境を越えたってことで。ガシアン、シーラ以来の左左のペアだし。」
「あー・・。そうですか。あー。」
「何そのガッカリした感じ。なんかムッとするんだけど」

というようなやり取りがあったのだった。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110525-00000802-reu-int

ともかく、英国を訪問したオバマ大統領がキャメロン首相と卓球をしたようである。

「スーッ」

今朝、会社に入るときに、守衛さんたちが「おはようございまーす」と挨拶をしているのに対して、社員たちがどのように返事をしているか耳を澄ましてみた。

一番多いのは「おはようございます」を省略して、その最後の音だけを「スーッ」と発音する人だ。

以前、アメリカから長期出張に来ていた人に「スーッてどういう意味なんだ?」と聞かれたことがある。そこで私は、真面目ぶって「あれは19世紀の産業革命の象徴である蒸気機関の、蒸気が漏れる音を再現しているんだ。自分が朝からエネルギーに満ちていることを表現しているんだよ」とデタラメを教えてやったものだった。

今朝、そのことを思い出して、よくもそんなバカバカしいことを言ったもんだとニヤニヤしながら歩いた。どこにいるよそんな奴。だいたい漏れちゃダメだろ蒸気。

もちろん私は普通に「おはようございます」と言う。

急ピッチの仮設住宅

仮設住宅がここ数日で物すごい速さで完成しつつある。なんだか電柱まで立ててすでに電気まで来ているようだ。興味本位で中をのぞいてみたいが、さすがに気が引ける。私は関東の人からは被災者として扱われるが、実は私自身はたいした被害を受けておらず、どこか他人事の気持ちがあるのだ。これは外国から見れば日本人全体が被災者として扱われ、被災していない地域の人が「がんばって」と言われてちょっとムズムズするのと同じ状況だ(想像)。

私の立場を逆に被災者側にシフトして考えると、避難所暮らしの人たちの間でも、家族が亡くなった人と全員無事だった人で感覚が違うだろうし、家族を亡くした人でも、生き残った人が亡くなった人に対して感じる感覚にもまた同様のズレがあるだろう。立場が違う人の感覚は想像はできても本当には感じることは難しいのだと思う。

水谷の偉業

水谷の世界ランクが6位になった。たいしたものだ。メダルを取れなかったことを嘆く人もいるだろうが、世界選手権の男子シングルスでベスト8に入ったというのはもの凄いことなのだ。帰化選手である吉田を除くと、日本生まれの日本人が世界選手権の男子シングルスでベスト8に入ったのは、1985年エーテボリ大会の宮崎義仁までさかのぼらなくてはならない。実に26年ぶりの偉業なのだ。そしてもちろんこの成果は、世界選手権だけではなく、年間を通した大会での活躍で世界ランキングを上げ、有利なシードをもらったことなどを積み重ねた成果なのだ。

その上での世界ランク6位だ。日本男子が世界ランク6位以上だったのは、1983年の斎藤清の5位までさかのぼる。この斎藤と先の宮崎を除くと、1984年から2008年までの25年間、世界ランク20位以内に入った日本生まれの日本選手は一人もいないのだ(各年末時)。

水谷の偉大さを讃えるとともに、これだけの競技人口と熱心な指導者がいるにもかかわらず、この成績だということは、日本の卓球にはよっぽど大きな欠陥があるものと思われる。

とりあえず水谷のことが携帯のニュースで取り上げられたので嬉しかった。

仮設住宅

町内の家の前の通りに公園があるのだが、そこに仮設住宅が出来始めた。

連休中も休み無しでずっと工事をしていた。震災前はこんなところに仮設住宅が作られるとは想像もできなかった。

藤原くんのチャオズ

昨日、例のアルマジロを描いた藤原くんが「あんなに自分の絵をブログに載せるなら著作権料をもらわないと」などと言ってきたので、著作権料を払わないかわりに彼の最高傑作を再び載せることにした。

宴会のゲームで「ドラゴンボールに出てくるチャオズというキャラクターを描け」というのが問題だったのだが「チャオズなら知ってます」と言って藤原くんが描いたのが下の絵だ。

巣晴らしすぎる。なお、右は本物のチャオズだ。

熱いお便り2

卓球レポートの蔵書を見ていたら、なんと田村氏、ボルの他にも似顔絵を描いて投稿しているではないか(この他にメイスもあった)。ボルを神と崇めていながらこのような浮気をするようではその信仰心を疑われても仕方があるまい。しかも長野県に就職してからの方がイラストの腕も上がっているようだし。

ちなみに、田村氏によると、田村が描いた私の似顔絵にはとてつもないスゴみがあり、パワーが感じられるとのことだ。私も同感である。

熱いお便り

私がロッテルダム大会の速報チームhttps://world-tt.com/ps_info/ps_report.php?bn=132
に熱い写真を送りつけているのと同様に、私にも読者から熱いメールが届いた。

田村直洋という人で「条太さんの弟子の田村さんと親戚ではありません」とわざわざ断り書きをしてきた。彼の文面をそのまま紹介しよう。

「水谷の優勝を公言される条太さんには申し訳ないですが、今回こそはボルがシングルスで優勝します。王皓、馬龍を下した水谷と、張継科を下したボルとの決勝で、4-3でボルが劇的な優勝を遂げる、というシナリオです。ドイツ初のシングルス世界タイトルをもたらしたボルは、国民的英雄になるのです。
非国民などと言われそうですが、私の中でボルは特別な存在なのです。私が高校で卓球を始めたとき、若干18歳であの天才ワルドナーを倒したボル。僕の卓球は、常にボルの成長とともにありました。ボルは私の見本であり、憧れであり、神であります。そのボルの集大成とも言うべき大会がロッテルダムなのです。今回ばかりは、譲れません。」

ということである。譲るも譲らないもないと思うが、いやはやなんとも異様な迫力である(むしろアブないんだが)。彼はボルを神と崇めている証拠に、卓球レポート誌に何度もボルの似顔絵を載せているのだという。さっそく蔵書を調べてみると確かに載っていた。

私も人のことは言えないが、いろんな形の卓球ファンがいるものである(はたして卓球は練習しているのであろうか?)。

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