アメリカの単位

子供の学校の勉強で、もっとも簡単なのは算数である。数字はすでに知っているので英語がわからなくても見当がつくからだ。しかし困ったのが単位である。

こちらではいまだに長さはインチとかヤードが主流で、体積はリットルよりはガロンである。驚いたのは、長さの単位であるインチとフィートとヤードの関係が10の倍数ではないことだ。1インチが2.54cmと半端なのは仕方がないとして、12インチ=1フィート、3フィート=1ヤード、そして1760ヤード=1マイルだってんだからあきれるではないか。

重さもこの調子で、1オンスが28.35gだが、なんと16オンス=1ポンドなのである。12ならまだしも、16ってどういうことよ。体積もなぜか液体用と固体用と別になっていて、ピンツだのクオートだのペックだのブッシェルだのわけのわからない単位が目白押しである。3ティースプーン=1テーブルスプーン なんてことを覚えても日本に帰ったら何の役にも立たないことが分かりきっているだけに、覚えさせるのが不憫でならない。

ちなみに私の免許証には身長が5.06フィート、体重が163ポンドなどと書いている。ボクサーにでもなったようで新鮮である。

温度も日本ではセルシウスが考案した摂氏(℃)が主流であるが、こちらではファーレンハイトが考案した華氏(F)が主流である。℃は水の凍る温度を0度、沸騰する温度を100度にしてその間を100等分して決めたものである。ファーレンハイトには諸説あり、当時測定できた最低気温を0度、人間の体温を100度ぐらいにしてその間を100等分して決めたらしく、あまり物理的ではなさそうである。「今日は100度を超える暑さだ」などと言っているのを聞くと、私はいまだにちょっと違和感があるのである。