月別アーカイブ: 8月 2007

蜂退治

家の周りに蜂がいる。家のある部分になぜかいつも蜂が数匹いて、こわくて芝生刈りもままならない。巣があるようでもないのだがいるのだ。

そこでふっと思いついた。蜂蜜業者のような完全防備にして退治しよう。さっそくインターネットで参考写真を見る。さすが、プロ用はまるで宇宙服のような厚手の服でヘルメットまでしている。

できるだけそれを真似るように、ゴム長靴+ジーパン+ジャンパー+帽子+ゴム手袋に、店の生地コーナーから網状の布を買ってきて頭からかぶり、胸のところで紐でしばってもらった。

これで完璧だ、と思って外に出るとそういえば40℃だった。なぜか蜂もいない。そこで、蜂がいて芝刈りができなかったあたりの芝を刈ることにした。ところが暑くて5分ともたない。妻も、「それでなくても東洋人で白い目で見られているのに(青い目だ)、そんな格好をしてこれ以上異常なことはやめてほしい」と懇願され、止めた。

かっ飛ばしてつかまった

アメリカに来てしばらくしてのこと。メールで卓球の練習をさそわれたので、車で230kmの道のりを走った。意外なことにアメリカは卓球台の消費が世界一だと以前卓球レポートで読んだことがある。その情報どおり、家に卓球台を持っている人は普通にいるのだ。家が広いこともその理由だろう。やはり卓球は娯楽の王様なのである。

ただし競技としてやっている人はまったくといっていいほどいない。人数あたりの比率は日本の1/40である。だからまともな相手を探そうと思ったら車で1時間、2時間走るのは当たり前なのである。逆に言えば、そういう状況でも競技卓球をやっている人は、みんな異常な情熱を持っているのである。それは後で書くとして、車である。

アメリカで、気持ちのよい日に新しい車に乗って卓球をしに行く、そのあまりの幸福感に私はすっかり平常心を失っていた。どんどんアクセルを踏んでいって、最後に時速180kmまで行くと、アクセルを踏んでいるのに突然減速しだした。多分自動ロックが働いたんだと思う。
それからもずっと時速140kmぐらいで走っていると、物陰からパトカーが出てきてつかまってしまった。

私はそのとき初めて「スピード違反をしたらつかまる」ということを思い出したのである。警察はいないだろうとか、つかまらないだろうではなくて、本当に思いつかなかったのである。楽しすぎると私は正常な判断力がなくなるのだなあと思った。

つかまったときの速度は時速140kmで、罰金は200ドルであった。あとで同僚に聞くと、もし時速180kmでつかまっていたら刑務所行きだったのだという。それで、「むしろ俺は運がいいんだ」と思うことにした。

警察は切符を切った後、「テイク・ケアー」といって去っていった。悔しい。

リンダとリンダ遠藤さん

妻は英会話に私以上に苦労しているようである。小学校の先生(50才ぐらいの女性)が教え子の結婚式に出ると言っているのを本人の結婚式だと思い込んで勝手に驚いてみたり、スーパーマーケットで酒を買おうとして生年月日を聞かれて住所を答えてしまったことに家に帰ってから気がついたりと、なかなか忙しい。自分で言いたいことは無理やり言えるのだが、なにしろ聞けないのだ。店員が値段を言う。店員は数字しか言わないとわかっている、その限定された状況でさえ、その数字が聞き取れないのだ。難しいものである。

その中でも傑作なのがリンダ・遠藤さん事件である。お向かいのリンダさんと話していると、妻の状況を見かねたリンダさんが、知り合いにリンダ・遠藤さんという日本人がいるから紹介してやると言ったそうである。それなら英語も日本語も話せるので、さぞ効率のよい英語習得ができるだろうと妻は楽しみにしていたのである。ところがその後、その話をするとどうにも話が食い違い、何かがおかしい。そして最終的に判明したのは、リンダさんが知っている人とはリンダ・遠藤さんではなくて、リンダ・アンダーソンというアメリカ人であり、彼女が日本人を知っているという話だったのである。その日本人は我々がすでに知っている私と同じ会社の人であった。

考えてみれば、一般のアメリカ人が「遠藤さん」などと「さん」をつけるわけがなかったのである。それにしてもまた「リンダ」だ。山本リンダっていうのもいたが。

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