家めぐり

こちらに来てから、休日に家族と過ごす時間が長くなった。なにしろ車がないとどこにもいけないし、友人や知人も極端に少ないので、ほとんど一日中家族で過ごすことになる。

それでときどきやるのが、建築中の家めぐりである。私の住宅地はまだほとんど家が建っておらず、建築中の家が何件かある。休日は大工さんがいないので、そこに勝手に入って間取りなどをチェックしてあれこれ言うのが楽しいのだ。住宅地の中なので歩いて5分なのだが、子供たちはまるでピクニック気分で飲み物やおやつなどを持ってくる。

先週、誰もいないと思ってある家に入ったら、屋根に大工さんがいてびっくりした。「家を探しているのか」というから「いえ、もう住んでいて、見ているだけです」と答えた。「わかるよ。俺も車を買った後でも車屋に行って見るのが楽しいもんなあ。ガハハ。」という感じで気のいい人だった。

こどもたちはそこから木の切れ端をもらってきて母親に怒られていた。男は、きれいな木の切れ端などを見ると何かに使えそうな気がして欲しくなるものなのだ。これも本能だろうか。