UFOの話

もちろんUFOも大好きである。矢追純一の木曜スペシャルなど録画して台詞を暗記するほど見たものだ。大学どころか社会人になってからもすっかり信じており、会社にNASAの人が来たときに「日本のテレビではNASAが宇宙人を隠していると言っているが本当ですか」と質問して呆れられたりした。

真実を知ったのは、だんだんと本当のことが書いてある本が日本でも売られるようになってからだ。
皆さんはUFOと言えば宇宙人の乗り物のことだと思うだろうが、そうではない。UFOとはUnidentified Flying Objectつまり『未確認飛行物体』という意味の軍事用語である。だからアメリカ軍がUFOに関する文書を持っていても当たり前だし研究をしているのも当然なのだ。もちろんそれは国防のためであって、他国の兵器などを想定してのことである。
それを矢追純一を始めとする多くのマスコミは意図的にUFOという単語を大衆に誤解させて「政府も宇宙人の存在を認めている」かのように宣伝するわけだ。なにしろ正体不明の飛行物体ならみんなUFOなんだから存在するのは当たり前なのだ。
というわけで、UFOとは「なんだかわからないもの」と言う意味なので、仮に宇宙人の乗り物だとわかったらその時点でそれはUFOではなくてIFO(Identified Flying Object)となる。

宇宙人の乗り物を指す場合には、研究者の間では「エイリアン・クラフト」と言うことになっている。では、エイリアン・クラフトは確認されたことがあるのかというと、それがないのだ。

http://homepage3.nifty.com/hirorin/ufofakes.htm

ジョージ・アダムスキーという世界のUFO史に残る有名な人がいる。彼は今のUFOの形を有名にした張本人であり、金星人のUFOに乗って太陽系の惑星を回ったという体験記を発表して有名になった。ところが彼の書いた体験記は、彼がUFOに会う前に発表していたSF小説とそっくりなのだ。これだけでも普通の人なら彼が単なる詐欺師であることが分かると思うが、彼を信じている人が今でも大勢いるのだ(日本にも1600人も会員がいるhttp://www.adamski.jp/gap-japan/index.htm)。信者たちは「アダムスキーには予知能力があり、彼が円盤に乗って経験することをあらかじめ予知したのだ」というのだ。また、アダムスキーの体験記には科学的におかしい所がたくさんあるが、信者たち(もうおわかりだろう。これは宗教なのだ)は「現代の科学の方が間違っているのだ」と譲らない。「もし彼がウソをつくつもりならわざわざ科学的に間違ったことを書くはずがない。堂々とそれを書いていることこそ、それが真実である証拠だ」と、間違っていることさえも正しいことの証拠にしてしまうのだ。こんな理屈にはもはや反証は不可能である。

どんなに強固な証拠があっても結局人は「自分の信じたいことしか信じない」という良い例である。

なお、アダムスキーが有名になる前は、今、UFOとして定着している円盤型の飛行物体の目撃例自体もほとんどなかったという。人は先入観によって、見ていないものまで見たような錯覚をすることが、わざと全然違う形のものを飛ばして大衆に目撃させた実験で確認されている。現代のUFOの形自体が、アダムスキーのたわ言から始まったデタラメであり、そういう形のUFO自体、存在しない可能性が高いのである。