アーバン大学とアラバマ大学

ここいらでもっともファンに人気のあるスポーツはアメリカンフットボールである。各大学がチームを持っており、中でもアラバマ州のファンを二分するのがアラバマ大学とアーバン大学だ。人々はこの二つの大学のどちらかのファンであり、いたるところでそれを競っている。ゲイリーはアラバマのファンなものだから「アーバンのファンは昼から酒を飲んで暴れるようなやつばかりだ」などという。

道路を走っていると、ときどき車の後ろにしっぽをつけている車が目につく。流行しているアクセサリーなんだろうと思っていたら、実はこれが『アーバン・タイガー』といわれる、アーバン大学のフットボールチームのマスコットを模しているのだそうだ。自分がアーバンのファンだということを誇示しているわけだ。アラバマ大学のマスコットは象なのだが、牙や耳をつけるわけではないようだ。どちらのファンも、車の屋根に旗を2本立てて走っているのだが、しっぽをつけるのはアーバンのファンだけだそうだ。とはいえ、さすがに車にしっぽをつけてまでファンを誇示する人はそう多くはなく、そういう車はときどき見かける程度である。

それとは関係ない話だが、日曜に文房具屋に行った。そこの駐車場で、みすぼらしい車がトナカイのアクセサリーをつけていた。クリスマスが近いからだろう。子供を喜ばせようと、このさえない車を飾った貧しい父親(勝手に貧しいことにした)の気持ちを思って、少し切ない気持ちになった。