サンクスギビング

11月22日はサンクスギビング(Thanks Giving)という休日であった。サンクスギビングとは1620年に上陸したイギリスの清教徒にまつわる休日だ。現地のインディアンが清教徒に、生きるための色々な技術を教え、清教徒がそのお礼に、夕食にインディアンを招いたのがその由来である。その時に出した夕食の主なメニュー、特に七面鳥の丸焼きが今に伝わっているそうだ。 今では本来の由来を超えて食物や、家族、その他あらゆる物に感謝する日となっていて、主に親族が集る日のようである。日本でいうとお盆か正月のようなものだろう。

さて、私の妻が知り合いのポーラにサンクスギビングがどんなものか知りたいと言ったところパーティにお招きいただくこととなった。結婚したばかりの娘夫婦も遠方より来るというのに混ぜてもらうのは心苦しいが、またとない機会なので家族で行って来た。

7kgもある大きな七面鳥の腹にパンや野菜を入れて、4時間かけて焼いたものをその場で切り出してご馳走された。七面鳥の腹に入れて蒸すことで美味しくなるのだという。これが「鍋で蒸しても同じ」ではつまらない。あくまで七面鳥の腹に詰めて七面鳥ごと蒸さなくては出ない味だ、ということであってほしいものだ。

写真に写っているのは末っ子のジョーダン君8歳。ぜんぜん笑わない子なのに、カメラを向けると突然、笑顔を作ったのに驚いた。日本人でこういう子供はいないような気がする。口だけで無理やり笑っていることが写真からもわかると思う。

娘の夫のカールは軍隊に入ったばかりで、7kg痩せたという。どっかの山奥に連れて行かれて、食料も与えられずとにかく一週間だか二週間だか「生きろ」という訓練があったりするのだそうだ。私が「映画の『フルメタルジャケット』みたいですか」と聞くと、さすがにあんなのはないという。逆に「『ラストサムライ』の日本人は本当なんですか」と聞かれたので、「いくら日本人でもあんなに簡単に切腹しないと思う」と答えた。カールはイラクに行くかもしれないのだと言っていた。

食事の時間になるとデイブが、ひとりづつ自分の感謝するものに声を出して感謝を述べなさいと言う。さらにサンクスギビングにまつわる話や、クイズなどが出されて、なんかやけに熱心な人だなあと思っていたら、彼の職業は宣教師なのだという。プロだったのだ。これで話はいっきに面白くなってきたわけだった(山際淳司風)。