神様の話

昨日、帰り際に上司のデビッドが神様について話し始めた。彼によると、聖書には、貧しい人たちのために収入の10%を教会に寄付するよう書いてあるのだと言う。それで彼は若い頃からずっと毎週175ドルづつ寄付をしていて、これまでの総額は大変な額になるという。てっきり、それで損をしたという話なのかと思って喜んで聞いているとそうではなくて、そのおかげで幸せだと言う話だった。

結婚もした、子供もいる、みんな健康だ、家もある、車も食べ物もある。望むものはすべて手に入った。教会に寄付した額をはるかに超える溢れんばかりの恩恵にあずかっているという(寄付したからではなくてまじめに働いたからだと思うが)。

日本にはそういう習慣はないのかと聞かれたので、日本人は形式は仏教や神道に入っていてもほとんどの人は神様を信じておらず、無宗教だといった。それで寄付と恩恵に似た制度として、年金制度について説明した。我ながら見事に論点を外したものだ(神様と年金の何を比較しようというのか)。深夜だったので疲れていたのだと思う。

デビットが神様の存在を信じるようになったのにはきっかけがある。20代の頃に仕事があまりに辛くて、辞めたかったのだが家族もいて辞めるに辞められない時期があったという。そこである日、神様に「助けてください」と祈ったのだそうだ。するとその翌日、今の会社からヘッド・ハンティングの電話があったのだそうだ。さらに同じ週にもう一社から誘いがあったという。これで神様の存在を確信したそうだ。

ひとしきり話が終わり、しばらくしてあらためて「死後の世界があると本当に信じているのか」と聞いてみた。デビッドは「ビリオン(10億)%信じている。それも永遠の世界だ」と言った。