オーディオの話 続き

昨日、オーディオの話を書いたら、さっそく二人の友人からメールがあった。心の琴線に触れたものと思われる。男は大なり小なりオーディオに興味があるものだなと思った。

女性でオーディオマニアというのは一度も見たことがない。車やバイクなら「買って乗る」という観点で好きな人は知っているが、「やっぱりCDはアナログレコードにかなわないね」とか「カセットデッキはナカミチじゃなきゃダメ」とか「端子が金メッキだと音がいい」などと口走る女性は一人も知らない。スピーカーを自作するなどもっての他だ。

さて、私の知る限り、もっとも強烈なオーディオマニアは、卓球でも用具マニアとして紹介している杉浦くんだ。そのスピーカーの自作の数は、ラケットの比ではない。ドーサンの隣町、デルヴィルの古道具屋で、自作スピーカー用のボックスが山ほど置いてある店を見つけたが、杉浦くんが見たら狂喜するんだろうなと思った。

彼のオーディオ好きに関連しては、いろいろと逸話があるのだが、もっとも強烈なものを紹介しておく。あるとき杉浦くんが「カセットデッキが故障しているのだが、店員がなかなかそれを認めない」という。それは困ったことだと思い、どんな故障かを聞くと「18kHz以上の音域で左右の音の位相がズレるんだよ」という。・・店員が認めないのも当然だ。音の位相の違いなんて人間にはわからないはずなのだが、どうやってわかるのかと聞くと、ステレオをモノラルにして聞くと左右の音が干渉して音質が変わるので、位相がズレていることがわかるのだという。つまり、普通に聞いていたのではわからないことをわざわざ分かるようにして聞いて、しかもイコライザーで18kHz以上という音域を特定して「故障」を発見しているのだ。

こういうことがオーディオマニアの世界では当たり前なのか、それとも杉浦くんのオリジナルなのかはわからない。これを故障だとねじ込まれた無防備な店員はさぞ困ったことだろう。