新旧交代

先週、また新しい赴任者が日本から来た。Kくんといって、まだ20代の若者だ。さっそくみんなで空港に迎えにいって、その足で「ホワイトハウス」と呼んでいる会社の宿泊所で宴会を開いた。このホワイトハスス、幽霊が出るので近所の人も知っているほど有名なのだが、その話はおいておく。

立って挨拶をしているのがKくんで、その左隣が、5年の勤めを終えて来週帰任することになっているEさんだ。Eさんは以前も7年もここに赴任したことがあり、合計で12年もドーサンに住んだつわものである。どうしても顔を写して欲しいといって不自然にこちらを見ているのがビートルズ(ビーチボーイズも)狂の宮根さんだ。

宴会の様子を見るとまるで運動部の合宿のようだが、まさに赴任とはそういう感じだ。ぞれぞれに日本から使命を与えられて来ているのだが、仕事がいつも上手くいくわけもなく、さまざまな辛酸をなめながら互いに励ましあう、いわば戦友のようなものだ。もちろん日本も恋しいがドーサンにも愛着がわく。みんな帰任するときには嬉しいような悲しいような複雑な気持ちになるのだ。

宴会では、何の話からか忘れたが、納豆の話になった。納豆など話にも何もならないと思うとそうでもない。実にいろいろな考えがあった。
まず、岩手県花巻出身で家中で納豆を食べていたのになぜか自分だけは納豆が嫌いだという人がいた。一方で、宮根さんは関西出身だが、入社して東京に住んでから納豆を食べられるようになったという。またある人は、納豆を食べるときにご飯茶わんが汚れるのが嫌で、ご飯の中央にだけ納豆をのせて決して納豆が茶碗に触れないように巧妙な箸使いをして食べるのだという。別に洗う都合を考えてのことではなく、ただ嫌なだけだという。かと思うと、納豆を決してご飯と混ぜず、器から直接食べるという人もいた。口の中でご飯と混ぜるのだという。理由は、納豆を使った箸が他の食物に触れるのが嫌なためだという。さすがに、ご飯を食べずに納豆だけ食べるという人はいなかった。
私はそんなこだわりは何もないが、ただ納豆が口のまわりについて痒くなるのが嫌だと思うくらいだ。

学生時代、研究室の先輩に変なこだわりのある人がいた(9/15の耳クソ鼻クソを食う先輩とは別)。いろんな味が口の中で混じるのが嫌で、おかずは必ず順番にひとつづつ食べ切ってから次のおかずを食べるのだと言って、しきりにそれを主張していた。さらに、ご飯と比較しておかずを多く採ることを推奨していたのだが、その理由が「ご飯なんか食ったってクソが出るだけだ」と言うものだった。「どういう意味ですか」と聞く気にはとてもなれなかったこの名セリフが今でも心に残っている。