銃を撃ってみた

同僚のマイクに誘われて、子供たちをつれて銃を撃ちに行ってきた。初め、射撃場のようなところを想像したのだが、マイクの車はどんどん山奥に入っていって、結局そこはマイクの弟の私有地で、だから勝手にいくらでも撃っていいのだという。

これは、他人の土地に入って林の中をうろうろしていると、土地の持ち主に撃たれるということなのだろう。

数10m離れたところに的をおいて撃った。初めに直径4mmの弾のライフルやピストルを撃ったが、音も衝撃もオモチャと同じで、どうということはなかった。筒に爆竹を突っ込んだようなものだ。子供たちもドキドキしながらも撃たせてもらい、喜んでいた。

しかし段々と弾が大きくなっていくと、その音と衝撃は大きくなり、44マグナム(弾の直径が0.44inch=11.2mm)にいたっては、衝撃が凄くて、どこに撃っているのか分からないほどだった。子供たちも恐ろしがって近づこうとはしなかった。だいたい、ピストルなど、撃った衝撃で銃口が真上を向いてしまうほどなのだ。そのくせ、引き金は恐ろしく軽い。自分で改造したのだという。マイクはオートマチックの10連発銃を撃ったりしている。なんと恐ろしい趣味なことか。

一緒にいたマイクの弟は現役の警察官で、その拳銃も撃たせてくれた。初心者の私に撃たせて反応を見るのが面白いらしく、「今度はダーティーハリーみたいに片手で撃ってみろ」とか「今度はできるだけ早く空になるまで撃て」とか言われ、私は手が痛かったが、言われるままに弾倉が空になるまで撃ちまくった。彼は横で、拳銃から飛び出してくる薬きょうを直接キャッチしたりして遊んでいた。的の後の直径5cmほどの木の枝が吹っ飛んだ。

「銃は危険じゃない。危険なのはそれを使う人間だ。」というのがマイクの口癖なのだが、撃ってみたところではどうみても危険だった。面白いとも思わないし、もう触りたくない。

子供たちは、落ちている薬きょうを宝物のように拾い集めて持ち帰り、妻に怒られていた。