里帰りをしたときに買ってきた本を読んだ。福岡「殺人教師」事件の真相のドキュメント「でっちあげ」である。
福岡市のある小学校教師が、生徒に体罰など信じられないひどいイジメ行為を行っていたものとして、両親から訴えられマスコミもこれを糾弾したが、じつはこの両親の言い分がデタラメであり、まったくの冤罪だったという話だ。
その教師がそんなことをしていないことは、クラスの生徒や両親に聞き取り調査をすればすぐにわかったことなのだが、校長や人権派弁護団、マスコミはそれをしないままに正義感でこの教師を「殺人教師」として糾弾し、真実は裁判で明らかになっていく。
私はこの事件について何の知識もないので、この本に書いてあることが本当なのかどうかは知る由がない。試しにネット検索してみると、予想どおりのサイトがみつかった。http://www.geocities.jp/kyouiku_hiroba/03/fukuoka-ijime-kyoshi.html
これは「教育を考える」というサイトで、体罰についていろいろと糾弾したりしているのだが、この本の内容こそが悪質なでっちあげであり、この殺人教師を許すわけにはいかない、と主張している。
どっちが本当だろうか。我々はすべての事件を自分で調査するわけにはいかない以上、結局は、他人の書いたものの内容、情報の信頼性、蓋然性、そして自分の信念で判断しているわけだが、最後の「自分の信念」が判断を誤らせる元なのである。事実と信念は何の関係もないからだ。