ウンコの脅威

今日は特別に汚い話なので、好みではない人は読むのをご遠慮願おう。

私は小さい頃からウンコというものの身も蓋もない汚さに脅威を感じていた。恐怖さえ感じていたといっていい。この汚さに自分の気持ちが乱れるのが悔しいのだ。世の中に当たり前に存在して、医者や汲み取り業者ならなんでもないこの程度のものに対して、平然としていられないことが悔しいのだ。

用具マニアの杉浦くんも、ウンコについてはなみなみならぬ恐怖をもっているようで、何度も不愉快な夢を見ると言う。トイレでウンコをした後、水を流したはいいが配管がつまり、どんどん水位が増してきてしまいには便器からあふれ出す夢だ。この話を聞いて以来、私もその最悪の状況を思い描いては不愉快な気持ちと戦っていたのだが、ドーサンにきてから現実に経験してしまった。アトランタのホテルで、部屋のトイレが詰まったのだ。詳しくは書かないが、すぐに部屋を替わってもらったとだけ書いておこう。

私もウンコに関連する不愉快な夢をよく見る。会社の洋式便座でウンコをしていると、突然、個室の戸が開いて、当時同僚の阿部さん(2007/8/9参照)が狭い個室にむりむり入ってきて、あろうことかズボンを下ろしてそのまま私の膝の上をまたいだのだ。隣の便器に行くためだと言う。いかにも夢らしいつじつまの合わない話だ。しばらくは阿部さんを見ると、この不快な夢を思い出して「またぐなよ」と思ったものだ。

夢ではなくて実際に体験した最悪ケースは、学生時代に遡る。休日に研究室にいたのだが、その日は研究所全体が断水だった。ところがそれを忘れた私はトイレでウンコをしてしまったのだ。当然、水が流れないので、トイレ中が大変な臭いに包まれた。幸い休日だから学生も職員もほとんどいないとはいえ、何人かはいるわけで、とても申し訳なく恥ずかしい思いをした。断水は数時間で解除されるはずだから、それまでの間、気が気ではなかった。やっと断水が解除されたことを知って、大急ぎでトイレに向かってほっとしながらレバーを押した。すると、断水後の初めての使用だっため、水が出る前に空気がプシューッと勢いよく吹き出し、その風圧で粉々に飛び散った自分のウンコを、頭から足まで全身に浴びてしまったのだった。あんなに恐ろしい思いをしたことはない。ミスがミスを呼んだ最悪の事態であった。とはいえ、別に死ぬわけでもなし、珍しい経験をしたことでちょっと得意な気持ちにもなったものだった。それにしても他人にかけてしまわなくてよかったとつくづく思う。皆さんも断水中のウンコにご用心。