刺青

怪我をしてすぐに近くの救急病院に行ってみてもらったのだが、担当医が二週間前に自転車レースで転んで鎖骨を折った人で「もうすっかり元気に仕事をしている」と言われ、とても勇気づけられた。骨が皮膚を突き破っていないので、処置は後日で良いらしく、その日は痛み止めの薬を出されただけだった。

骨折といっても、実はほとんど痛みは無い。鎖骨は骨折しても痛くないので有名らしく、「一ヶ所骨折を選ぶとすればそれは鎖骨だ」といわれるほどだという。たしかに動かさない限りはほとんど全然痛くない。だからもらった痛み止めは念のため仕事中は飲んだが、寝るときは飲まなくても平気だった。

翌日あらためて外科に行って、その翌日、つまり火曜に手術をすることに決めた。手術の担当医は普通にみえる白人だったが、右腕に日本語の刺青をしていた。どうせサインペンで書いたんだろうと思っていたら、なんと針を使って彫った本物の刺青だという。つまり一生消えないのだ。しかも彫ってあるのが「娘」「息子」「明快」「射手座」「天使」「心の友」である。ネットで意味を調べて日本語で刺青をしたのだという。わ、わからない。

星座など彫るくらいなら事故のときに備えて氏名、生年月日、血液型でも彫ったほうがよかったのではないだろうか。あと薬の量を決めるために体重。ついでに身分証明として運転免許証のコピーも彫ったれ。