卓球王国の写真

このブログのゲストブックに、「まさひこ」という友人から卓球王国の写真について質問があった。「このブログは卓球王国のサイトのくせに卓球の話題が少ないので話題を提供してやる」などと書いている。質問は、これらの写真が彼にはあり得ない不自然な格好だというので、いったいどういう理由であんな姿勢になったのかということだ。

まずは馬琳のループドライブの写真だ。ドライブをしているのにどうして膝がこんなに曲がっているのかとのこと。二つ考えられる。ひとつは、ボールのバウンドが思ったより低い、あるいはボールのところまで移動するのが間に合わなかったなどして打点が落ちてしまったため、打点を体に対して相対的に上に来るように膝を曲げたというもの。言うまでもなく、振りの中心は肩なので、あまりに体の下方で打球したらボールを上にこすりあげることはできない。もう一つの可能性は、楽に腕を大きく上に振り上げられるように無意識に体を沈めたというもの。もちろんこの場合は、体を沈めた分だけラケットの上への運動は減殺されるから、効率的ではない(だからこそ楽なわけだが)。一流選手でも疲れてくれば効率的ではないことをすることがあるということだ。左腕が体の後ろに行っているが、これは人間が歩くときの腕の振りと同じなので、それほど不自然には感じない。進化論的に言えば、四足動物が歩くときに前足2本を交互に出すことに由来する由緒正しい動きだ。わずか100年ほどで卓球界が作り上げた「自然なフリーハンドの使い方」などより、よほど自然な使い方だ。

次にフィリモンのスマッシュだが、これはどうみても松下の高いロビングに対してできるだけ高いところで打ち込もうとして飛び上がってスマッシュを打った後の写真だ。ただしちょっと目測を誤って、思ったより体の後ろで打ったもんだから体がそっくり返っている。ジャンピングスマッシュを日常的にしない人からは分かりにくいだろうが、まあ普通の写真だと思う。まさひこもひとつトランポリンでも使ってジャンピングスマッシュを練習してみてほしい。もっともそんなに高いロビングを入れてもらうこと自体、簡単ではないが。