デリルとの議論

デリルと卓球をするとき、教会の話になった。
ここいらはプロテスタントの中のバプティストがもっとも多い宗派だが、カトリックの教会もドーサンに2つか3つあるという。プロテスタントは16世紀の宗教改革によってカトリックと分かれたわけだから、同じキリスト教といっても犬猿の仲のはずだ。

「カトリックの人たちとケンカしたりしない?」と聞いてみると、ケンカはしないけど、聖書の解釈が違うので、それでディベート(議論)はするといった。すると当然のように「お前の宗教は何だ?」と聞いてきた。「表向きは仏教だが、神様は信じていない」と答えると、なぜ信じられないのかという。「証拠が無いからだ」と言うと、「証拠は山ほどあるじゃないか。自分たちが存在することがその証拠だ」とお決まりのセリフだ。デリルの行っている教会にいけば、そこの牧師さんが神様の証拠を説明してくれるらしい。もちろん行かない。デリルは「神様がいないんだったら人生の目的は何だ?」と言った。私は「目的なんかない。動物と同じく生まれて死ぬだけだ。目的ではないが、希望は楽しむことだ。」と言った。

安心したのは、デリルは進化論は認めていることだ。生命の最初だけは神様がかかわったのではないかと思うが、化石や地層などの進化の膨大な証拠を含めて神様が7000年まえに創造したなどとはさすがに思っていないようだ。

翌朝会社でデビッドに会うと、デビッドは私の背中をバンバン叩きながら「ガーハッハ、どうだ?人生の意味はわかったか?」と大笑いしながら言った。