卓球王国に書いている原稿を、中国の卓球雑誌「ピンポン世界」に翻訳してのせてもらう話を進めるため、偉関絹子さんという人とメールをやりとりしている。
絹子さんは、もと中国ナショナルチームの超一流選手で、引退してから日本にきて、帰化した人だ。
http://blog.mrsc.jp/takkyu/cat341/
絹子さんは成人してから帰化したにもかかわらず、何不自由なく日本で暮している。広州大会のときにメモ帳を見たことがあるが、平仮名、片仮名、漢字をまったく日本人と同じように使い分けていた。ここまでくるのは大変な努力だったはずだ。しかも私の連載の面白さも完全に理解していて、彼女が中国に紹介したいと言ってくれたのだ。
ただ、ところどころ普通ではない表現があり、それが唐突で楽しい。広州の世界選手権のときも、繁華街に出かけようとしたら「財布、スラないよう気をつけて」と、ネイティブではありえないいい間違いをされたし、最近のメールでは、本文の最初のところに「可愛い伊藤様」と書いてあった。
き、いや、可愛いと言われていやではないが、なんか変だ。似たような言葉で「親愛なる」というのがあるが、これは日本語ではなくて英語のDearの直訳であって、普通の日本人は使わない。じゃ、可愛いのかわりにどう書けばよかったのか考えてみると、実はそういう頭につける敬称は日本語にはないのではないだろうか。後ろにつける「さま」「さん」「ちゃん」あるいは肩書きでその人との距離や関係を表すようになっているからだ。
ただ、この可愛いもいろんな状況で使われるので、なぜ絹子さんが私に可愛いとつけるのが変なのかを説明するのは容易ではない。
以下のケースが一般的な使用方法だろう。
・幼児の愛らしさに対して使う
・マンガなどのキャラクターに対して使う
・動物の愛らしさに対して使う
・子供や孫など年下の肉親や親族に対して使う
・女性の美しさに対して使う
・女性(まれに男性)が、年下の男性の美しさに対して使う
・女性が、服やアクセサリーなど装飾品に対して使う。
・女性が、奇妙で面白い物や人に対して使う あっ