月別アーカイブ: 2月 2009

石川のこと

杉浦くんが石川を詰問した話を書いたが、実は私も似たようなことをしたことがある。どうも石川のあやふやなところに突っ込みたくなってしまうのだ。

あるとき石川が「徹夜をすると疲れてヒゲが伸びるのが早くなるんですよ」と言った。私はこういういい加減な話が嫌いなのだ。「それ、誰か測定した人がいるのか?」というと石川は「そんな、測定しなくたって明らかですもん」と言う。いよいよ腹が立ってくる。「お前ね。そりゃ常にヒゲは伸びてるけど、普通に寝た場合と徹夜を比較してどっちがヒゲが伸びたかなんて、5倍も差があるならともかく、測ってみもしないでわかるかね。徹夜で顔がやつれていることだって判断に影響が出るだろ。そういうデタラメな話は止めろ」と言った。石川は「こんな話で”データあるのか”なんて異常ですよ条太さん」と言われたが、石川の話はどうも私のセンサーにひっかかってしまうのだ。

もっとも私だって誰にでもこんなことを言うわけではない。大学で工学を学んでいる奴がそんなことを言うから腹が立ってくるのだ(しかも彼の研究室は計測工学なのだ!)。そしてこういう怪しい話を持ち込んで断言するのはいつも石川なのだ。

このヒゲの話には実は背景がある。「徹夜をすると疲れてヒゲも伸びなくなる」というまるで正反対の話を会社の上司から聞いたことがあるのだ。さすがに反論はしなかったが、こんないい加減な話をまともに聞くつもりは私にはない。

杉浦くんのこと

久しぶりに用具マニアの杉浦くんについて書いてみたい。といっても卓球の話ではない。杉浦くんという人間の特異性についての話だ。

杉浦くんは科学的な根拠のある話以外はまず信じることはない。私もその傾向があるが、杉浦くんにはとても及ばない。霊魂、宇宙人、超能力といったオカルトは論外としても、ちょっとおもしろそうな俗論でさえ門前払いだ。

あるとき、石川という後輩が杉浦くんに「兄弟構成によってある程度性格が分類されるって知ってますか」という、占いに半分足を突っ込んだような怪しい話をした。すると杉浦くんは途端に不機嫌になり、「お前、そんな話、誰から聞いた?」と詰問したという。石川が「研究室の先輩からです」と言うと「その先輩はどういう人なんだ?」とさらに聞き返したという。「どういう人って、普通の人ですけど?」というと、杉浦くんは「どこがどう普通なのかその特徴を言ってみろ」と迫ったというからエグいではないか。さすが杉浦くんだ。「いやあ、杉浦さん怒っちゃって困りましたよ」と石川は私に言った。

この話を後で杉浦くんにすると、これは石川の誤解と誇張らしい。たしかに石川はいつもあやふやなことを言う奴なので、恐らくそうなのだろう。しかし、この話はいかにも杉浦くんらしいエキセントリックな話なので、とても気に入っている。

杉浦くんは、あまり世間のことには興味がなく、すべてのことを科学的思考にもとづいた自分の理解の仕方でしか絶対に納得しない。

幼少の頃から科学少年だった杉浦くんは、飼っていた亀を冬眠させようと布でグルグル巻きにしてタンスの引き出しに一冬しまい込んで腐らせたり、アルミホイルを電極にして自動車のバッテリーをミミズに通電して「ミミズの電気分解」実験を行ったりという逸話を残している。卓球のラケットの自作もこの延長にあるのだ。

ちなみにマンガはほとんど読んだことがなく、読み方もあまり知らない。唯一、私が読ませたつげ義春の「ねじ式」を最高のギャグだと絶賛されたが複雑な気持ちだ。

こう書くと、かなりとっつきにくい人間のように思うかもしれないが、これで実は極めて温厚で誠実で人間が大好きで人づき合いもよくギャグも得意なのだから、まったくなんと形容してよいかわからない奇妙な人間なのである。

日本代表の審判まわし

3番弟子の小室から、日本代表クラスの審判回しの実力についてメールが来た(審判まわしについては1/9参照)。

昨年、仙台でビッグトーナメントがあったとき、岸川と韓陽が簡単そうに一発で成功させていたそうだ。そういえば、松下浩二も何かの試合中にやったのを見たことがある。

そんなことを練習しているはずはないから、この程度のことは勘ですぐにできるようなボール感覚を持っているということなのだろう。なお、私と小室はこれに何時間か挑戦したことがあるが、ただの一度も成功していない。んー、まあ、そういうことだ。

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