レーティングについて

アメリカの卓球界にはレーティングというものがあるのだが、これが面白い。卓球の強さを数字で表すのだ。初心者は500ぐらい、もっとも人数が多いのが1700台、アメリカの代表ともなると2800ぐらいだ。私は現在2006だ。http://www.usatt.org/member_rankings.shtml

どうやって計算するのかというと、相手と自分のレーティングと、その試合結果によって決まるのだ。たとえばレーティングが100高い相手に勝つと20上がり、負けると4下がるといった具合だ(相手はその逆の動きとなる)。大会に出ると相手のレーティングはわかっているから、「こいつに勝つと上がる」とか「こいつに負けたら大変なことになる」などと思いながら試合をすることになるわけだ。試合結果も、何位になったとかだけではなくて、なによりもレーティングがどうなったかを励みに大会に出るわけだ。

選手たちはそれぞれあちこちの試合に出るので、レーティングと実力の関係は網の目のようにアメリカ中にうまく広がっていて、同じくらいのレーティングならアメリカ中どこの人でも、やってみなくてもお互いの実力がだいたいわかるのだ。実際、私は1700台の人は試合前の練習をしただけで負けそうにないとわかるし、1900台だとかなり厳しく、2100以上だと「多分負けるな」という感じがする。卓球というこれ以上ないほどの複雑多様なスポーツの強さをひとつの数字で表せて、それが意外に妥当だというところがなんとも楽しい。

先日紹介した林さんたちは、それを日本に導入しようとして大会を企画したりしているのだ。しかしレーティングの性質上、日本中の多くの人が参加しないと意味がないし面白くない。身近な人同士の実力関係なら何も数字にしなくてもわかる。試合をしたことのない人どうしが「私は1970なのですがあなたはどれくらいですか」などとやれるところが面白いのだ(「インターハイ出場」などという基準では県によってレベルが違うので比較はむずかしい)。もちろん、レーティング1800台の人だけ参加する大会とかも企画できる。

レーティングが広まるまでは入っても意味がないので参加する人も取り入れる大会も少ないだろう。しかしある一定の参加率に達すれば、急激に増えるだろう。レーティングを重要視するようになると、レーティングに関係のない試合には出る気がしなくなるし、大会主催者も参加選手を集めるためには「レーティングと連動した大会です」とうたわざるを得なくなる。

しかしそこまでいくのが大変だ。本当はこういうのは日本卓球協会がやればいいと思うのだが、林さんたちにはぜひともくじけずにがんばってもらいたい。