綿矢りさ『インストール』

綿矢りさの『インストール』を読んでみた。勉強の意味もあるが、これほど有名な小説を読まないで済ますわけにもいくまい。

話は普通だったが、場面ごとの描写が面白かった。中でも声を出して笑ったのが、古いパソコンが起動して本体が震えたときの描写だ。

「その震え方は、昔親戚一同でカラオケBOXに行ったときに聴いたおじいちゃんのあの歌声、肺活量が弱ってる年寄りならではのあのビブラートがききすぎた歌声を私に思い出させた」

よくもこんな人を小バカにした面白い表現を考えたものだ。私も見習わなくてはならない。こんなところだけ面白がるっていうのもなんだが。

実はもう一ヶ所、グッとくるところがあったのだが、ここには書けない。興味のある方はご一読を。