『ノルウェイの森』

ヤフーのニュースを見ていたら、村上春樹の小説『ノルウェイの森』が原作の映画にビートルズの『ノルウェイの森』を使うことが決定したという。極めて異例なことだ。ビートルズ側も村上春樹の実力とステイタスを認めたということなのだろう。

『なんでも鑑定団』で『ヘルプ!』を使うのもはやりビートルズの許可を得たのだろうか。あの番組は私も好きだが、私がビートルズでもっとも好きな曲を何の関係もない番組に使われるのは嬉しくはない。

ところで、先のヤフーのニュースに面白いことが書いてあった。ビートルズの「ノルウェイの森」の原題「Norwegian Wood」のWoodは森ではなくて材木であり、「Norwegian Wood」とは「ノルウェー材の家具」という意味である(歌詞を見ればそういう意味で使われていることが分かる)。ヤフーのニュースによれば、80年代中盤に村上春樹が『ノルウェイの森』を書いて大ヒットして以来、ビートルズの「Norwegian Wood」の邦題もいつしか『ノルウェイの森』に定着していったとあった。それでは私が77年に買ったビートルズのレコードの曲名に『ノルウェイの森』と書いてあったのはなんだったのだろうか。

調べもせずによくこんなことを書けるものである。村上春樹が『ノルウェイの森』を書くずっと前からビートルズのこの曲は日本では『ノルウェイの森』だったのであり、だからこそ村上春樹は小説の題名に選んだのだ。この小説が出たとき「ビートルズの曲名を題名にするなんてずるい」と思ったものだった。

さすがに今日ヤフーのニュースを見たら、その記述は削除されていた。ビートルズマニアから猛抗議が来たのに違いない。