家の売り出し

帰任するに当たって、不動産屋を通して家を売りに出している。

家の前に売り出し中の立て札を立て、プラスチックの筒にチラシを入れてある。チラシには薄い鉛筆でこっそりと通し番号を書いておいたので、何枚なくなっているか分かるのだ。日に日にチラシは減っており、もう14枚もなくなったのに、依然として値段交渉どころか誰も見学に来もしない。

同僚の話によれば、それは同じ団地の住人たちが自分の家の価値を知りたくて持って行っているのだろうとのこと。こっちはいつ見学に来られても良いように、毎週芝生を刈り掃除をして家を綺麗に保っているというのに、なんとさもしい奴らだ。

どこにも売れなければ、最後には会社が安い金額で買ってくれるので大損害というわけではないが、高く売れるに越したことはない。今日もチラシを誰か持っていかないかと家の中からチラチラと監視している(これがダメなのか)。