理不尽な指導

卓球の指導の現場で、理不尽な場面に出くわすことがある。それは、指導する側が、事実と違う動きをアドバイスすることだ。指導者自身がやっているように選手にやらせようとするのだが、実は指導者自身が自分が実際にやっていることを認識できていない場合があるのだ。

私が初めてそのような体験をしたのは、卓球を始めたばかりの中学生のときだ。ツッツキ打ちに対して先輩が「上から打て」とアドバイスしたのだ。そして私にそのように強制をするのだが、自分が見本を見せる打ち方はどうみても下から上に振っているのである。こういうのが非常に困るのだ。

横上回転のサーブはこうやるんだ、と言ってインパクトの様子をスローで見せたりするが、実演すると全然それと違ったりする。しかし指導する方は、自分はそのスロー演技の通りやっていると思い込んでいるので、選手がそのようにやらないと怒るのだ。これはキツイ。

もし皆さんがそのような指導をされたら「これはたまたまそう見えるだけで、本当はちゃんとできるんだろう」などとは思わないで「この人は自分がやっていることを認識できていないんだな」と思うべきであり、それを指摘するしかないだろう。その結果、袋叩きにされるかもしれないが責任は持てないので悪しからず。