2009年横浜大会男子シングルス準決勝、王励勤と馬琳のフットワークを調べて見た。
7ゲーム134カウント分である。
その結果、交差歩の回数は次のようになった。ただし、追いついて入ったかまたは入りそうだった場合だけをカウントした。打ち抜かれるような場合には交差歩なのが当たり前だからだ。
王励勤 2回(スコアの1.5%)
馬琳 26回(スコアの19.4%)
王励勤は背が高いこともあり、交差歩を使ったのはたったの2回で、そのうち1回は逆を突かれて後に動いたケースだった(写真左)。
馬琳は普段の印象どおり交差歩が多かった。ただし、26回のうち、10回は、ロビングを含んだ中後陣でのものであり(写真中央)、いわば交差歩を使って当然のケースである。前陣で交差歩を使ったのは16回(写真右)であり、これだとスコア比は11.9%となる。私がどの程度の位置を前陣と分類したかは写真を見て各自判断されたい。裏面を使う馬琳が柳承敏より多くの交差歩を使うのは意外といえば意外である。
こうなると「交差歩は現代卓球にそぐわない」という持論が怪しくなってきた。もっともどちらにしてもある状況では交差歩が必要なことは間違いないのだが、問題はそれをメインのフットワークとして練習するのが効率が良いかどうかだ。馬琳でも1ゲームに4回しか使わないのだから、どう考えてもメインに練習するべきものではないような気がする。