年別アーカイブ: 2010

ピータースの家族

書き忘れたが、ここまで読んでピータースに奥さんはいるのだろうかと思った人もいるかもしれない。ちゃんといるのだ。しかも今の奥さんは2人目だ。孫は全部で10人いて、この日も近くに住むキャサリンちゃん(4歳)が来て目を細めていた。

ピータースの着ているTシャツの胸に自分でつけたニックネーム「Dr. Chop」の刺繍が見える。刺繍をするための装置も買ってあって、この刺繍をつけたシャツが20枚くらいあるという。

第1回卓球クリニック終了、そして・・・

結局、2日目は夕方4時まで卓球をした。

帰り際に見送りに出てきたピータースは、例のようにスタンの車に足を上げてひとしきり長話をして別れを惜しみ、我々は帰路についた。私はそのままスタンの家に行って夕飯をご馳走になり、家に向かったのだった。

翌日の月曜は体のあちこちがメキメキと痛い。普段まったく卓球をしていないのに、休み休みとはいえ2日で合計19時間も卓球をしたのだから無理もない。ところが水曜、ピータースからもう次の誘いがきて絶句。今週末にまた来いという。途方もない体力と情熱である(本当に癌なのだろうか)。スタンはすでに泊りがけで行くことに決定しているという。スタンも凄い。さすがに私は辞退させていただいた。

でも、帰国するまでにもう一度くらい行ってもいいかもしれないとは思っている。

郭躍華先生のサイン

729というラバーのパッケージに郭躍華のサインがしてあった。おかしいのは、このサインが郭躍華によって1995年にされたことを誇らしげに説明してあったことだ。郭躍華は1981年、1983年の世界チャンピオンである。その郭躍華先生が1995年にサインをしたことの何がそんなに重要なのだろうか。まさか中国暦かなんかでもないだろうし。

古いラバー

卓球場にはさまざまな古いものがあるのだが、中でもラバーのコレクションがすごい。いや、コレクションをしているつもりはないらしいく、あくまで初心者が使えるかもしれないということで、使用済みのラバーをすべてとってあってファイルしてあるのだ。

中にはバタフライのアンチラバー「スレイバーキラー」なんてのがある。バタフライから出た最初のアンチラバーだと言うからそうとうに古いのだろう。それにしても、初心者が使えるかもしれないからとっておくと言っていたが、オレンジ色の「スレイバーEL」をいったいどんな初心者が使うと言うのだろうか。

そして武器は果てなく・・

武器つながりということで、そのままナイフのコレクションの披露が始った。日本刀まである(もちろんちゃんと切れるやつだ)。私はこういう物騒なものは嫌いなのだが、それでもやはり男の攻撃性が湧き上がり、見ているとある種の魅力を感じるのは否定できない。

話の流れで、小さい多機能折り畳みナイフをもらってしまった。

朝食

朝食はピータースか奥さんが作ってくれた、卵とベーコンを使ったものだった。
食卓の近くには防犯のための銃が置いてあり、いきなりそれを取り出して見せられた。
そして、いかに銃を持つことが正しいことかを力説された。

朝からこれである。もう何もかもがtoo much、過剰なジイさんなのだ。

この他に、銃だけが何十丁も置いてある部屋があるのだが、今回はそこは見る機会がなかった。

家中のAV機器と本

ピータースの家にはテレビやオーディオ機器があふれている。ほとんどすべての部屋にモニターが複数あり、そこら中にビデオデッキやDVDデッキ、オープンリールのオーディオデッキまである。そしてメディアは所かまわずだ。右の写真はピータースの寝室だ。なんでこんなに必要なのだろうか。

あと、右の写真は、この家の壁と言う壁を埋め尽くす本の一例だ。こんな本棚が10以上もあるのだ。

朝の目覚め

卓球クリニックの2日目の朝は、ピータースの変な歌声で目を覚ました。前日が遅かったので、9時に朝食の予定だったのだが、私は疲れ果てたのと、翌日も長時間練習だろうからと思い、少し目は覚めていたのだがわざと寝ていたのだ。すると、部屋の外でピータースが「タッタリラララタッタリラララ・・」とか何の歌だかわからないが変な歌をわざと歌って私を起こしに来た。

それでも無視していると、こんどは自慢のステレオで大音量で蒸気機関車の走る音を鳴らし始めた。私は諦めて起きて部屋を出て行ったのだった。

Youとキミ

私がショーンに語った「キミがやりたいなら・・」という台詞がちょっと日本語としては違和感がある。英語でyouと言った文章だからキミと訳したのだが、実は日本語では普通はこうは言わない。「お前」と言える間柄でなければ「ショーンがやりたいなら」と名前で言う。「あなた」でも「そちら」でも「お宅」でもおかしい。どれもこれも何かの色を帯びているので相応しくない。だから目の前の相手に対しても名前で言うことになる。

それで、困るのは初対面で名前を知らない相手と話すときだ。まず名前を聞かないと会話がしにくいのだが、youと言えないのでその名前を聞く質問ができないのだ。「あなたのお名前は?」「お宅さんのお名前は?」「そちらさんのお名前は?」「お手前の・・」もういい!どれもこれもおかしい。しっくりくる言い方がないのだ。それで、youを省いて「失礼ですが、あの、お名前は?」なんて聞き方になるわけだ。こういうときは本当に日本語は不便だ。

「お風呂掃除したい?」

「Do you want to play?」について、足立さんからメールが来た。これは実は卓球をしたいかどうか聞かれているのではなくて、「プレーしてくれませんか」というお願いなのだという。さすが在米27年である。足立さんも奥さんに家事を頼まれるときにまったくこの言い方をされ、最初はかなり違和感があったという。たしかに「風呂そうじしたい?」とか「まき割りしたい?」とか聞かれても「いや、別にしたくはないけど・・」と言いたくなる。でもこれは一応彼らのロジックとしては「やってほしい」よりも相手の気持ちを尊重したつもりの言い方なのだという。

それにしても違和感があるが、「この申し出を受け”たい”ですか?」と聞かれたものと解釈して違和感と折り合いをつけようと思う。

そういえば、お願いの言い方「Can you XXX ?」にしても、直訳すれば「XXXをできますか?」となるが、ちゃんと慣れてお願いだと思って使っているので、Do you want toも慣れるのだろう。ただこれまで、仕事でこう言われたことはなかったから、これはちょっとくだけた言い方なのかもしれない。

私が「やりたくはないけど、キミが私とやりたいならやる」と答えたときの、ショーンのちょっと戸惑った顔が今思い出すとおかしい。失礼だったかな。まあいいや。