補助剤問題

卓球王国今月号の水谷選手の補助剤問題をとても興味深く読んだ。

やっぱり、検査できないものをルールにしているのが問題のような気もする。
いっそのこと、後加工自由とでもしてしまえば公平なのだろうが、そうなると製品に対する「公認」自体が意味を失ってしまう。ラケットだろうがラバーだろうが、内部や外部にいろんな飛び道具を仕込むやつがいくらでも出てくるだろう。打球面の摩擦をまだらにするとか。

後加工は禁止にするしかないが、それを実証する方法がないのでは、どうしようもない。もし日本だけが正直に守っている状況なら、日本人もいっしょになってルール違反するのもひとつの「公平」なあり方ではないだろうか。

今回のような「ルールはあるが実質取り締まれないために多くの人がルール違反を犯している」例に、DVDやソフトの違法コピーがある。本来、お金を出して買わなくてはならない知的財産をコピーして只で使うのだから、これは窃盗と同じく他人に迷惑をかける明確な犯罪である。しかし警察が各家庭を回って摘発するのは実質不可能だ。その結果、コピーできるものは多くの人がコピーをする。そこに、ある正義感の強い人が「我が家では絶対にそういうルール違反はしない」といきりたち、他の家の人を「ずるい」と批判している状況を考えてみるとどうだろう。他国の選手たちには日本の意見がそのように映っているのかもしれない。

ITTFがルール違反を見つける方法を開発するか、そうでないなら「分からない範囲のルール違反はしてもよい」と解釈するのが現実的なのではないだろうか。

なんたってトップ選手たちは、趣味や楽しみではなくて人生をかけて卓球をやっているんだから、そんなところで不公平があったんじゃ本当に水谷のいうとおり時間の無駄である。

あるいは、ITTFがこっそりとルール違反を見つける方法を開発してロッテルダムで実施し、日本選手以外は全員失格になって全種目日本がメダル独占どころかベスト8も独占というのはどうだろうか(8人もいないが)!