被災レポート

一昨日、今野編集長からメールが来て、来月発売の卓球王国は災害への応援特集にするとのことで、私は通常の連載とは別に被災者としてレポートも書くことになった。

テレビや新聞では伝わらない私らしい内容をとのことだ。シリアスすぎるのは得意ではないしかといってユーモアを書けるはずもない。このブログのように淡々と書くしかないだろう。

メールをもらったあと電話で今野さんとゆっくり話したが、東京の方では仙台全体がテレビのニュースのように車がひっくりかえっていると思っているそうだ。外国となるともっと極端で、もう日本中で家屋が倒壊して死の灰が降っていると思われているそうで、今野さんには日本脱出のオファーが何人もから来たと言う。今野さんの家族分の飛行機のチケットを確保したという人さえいたらしい(そのわりに1枚足りなかったそうだが)。

昨日、仙台の街中に行って見たが、水と電気はすでに通っていて、開いている本屋はあるしタクシーも走っていた。街頭でおにぎりなどを売っている人たちがいたが、誰も見向きもしないで歩いていて、牛タン弁当とかおいしそうなものにだけは行列ができていた。この後におよんでグルメなのであり、街中では誰も飢えている様子はない。声を枯らして売れないおにぎりを売っている人たちの方がむしろ哀れな感じがした。

買う必要のない人が買う必要のない量を買っているために店に物がなくなっているのは、東京も仙台も同じだ。義姉の情報によると、呆れたことに広島でも無用な買い占めが起こっているという。事態が収まれば今度は家庭にも店にも在庫が大量に膨れて廃棄処分にせざるを得ないものが出てくるだろう。まったくバカバカしい。