チャンピオンの最後の仕事

先週ワルドナーに会って以来、ついついワルドナーづいてしまって本やらビデオを見まくっている。

イエンスフェリッカの『ワルドナー伝説』(2004年卓球王国刊)も何度目かの完読をした。
あとがきの一文に鳥肌が立った。

「私はこの原稿を書きながら、スウェーデン卓球界が生んだ偉大な選手、71年世界チャンピオンのステラン・ベンクソンのことを考えている。彼は偉大な選手でありながら、その後、コーチとしてもその身を卓球に捧げた人である。かつて、彼の選手時代の後半、一線から退く頃に話をした際、ベンクソンは彼の生涯の師であり、尊敬し、憧れでもあった荻村伊智朗(故人)から聞いたいくつかの名言のひとつを教えてくれた。
『ステラン、チャンピオンの最後の仕事というのは、新しい世代の選手に敗れることなんだよ』
荻村はそう言ったそうだ。」

ここでも荻村伊智朗か!どこにいっても卓球界のあちこちの重要なところに荻村の残り香があるのだ。ちなみに、ドルトムントで会ったある卓球ジャーナリストは、自分の息子のファーストネームとミドルネームに「イチロー・ステランン」とつけたという(そんなメチャクチャしていいのかよ)。私もそれに近いが、これは勝負にならない。
ああ、卓球、卓球、卓球かな、である。