編集部の速報に、私のレーティング普及活動の様子が載っていたので、その写真を借りた。
今野さんいわく「病み上がりの荘則棟みたい」だそうだ。荘則棟といえば60年代に世界選手権で3連覇した伝説の選手だ。嬉しいような嬉しくないような。
とりあえず比べて見た。
新井さんは卓球王国で「チョイモテ!オモシロテクニック」という連載で目も当てられない奇妙な打法を披露しているのだが、本人いわく「全然モテません」とのことだ。実際、その連載で披露される打法の「モテ度」が編集部から5段階で評価されているのだが、星が3つ以上ついたためしがないのだという。根本的に矛盾した企画になっているところがさすがに卓球王国である。
レーティングの話を続けたい。
現状はなかなか登録選手が増えないし、大会も増えていない。
選手からは「大会がないのに選手登録をしても仕方がない」という声がある。
一方で、大会主催者からしてみれば「選手がいないのに大会開けないでしょ」というもっともな考えだ。つまりお互いに環境が整うのを待っている状態なのだ。
普通のやり方なら、日本卓球協会が会員全員をレーティング登録を強制的にさせ、レーティング計算対象の大会を開くということになるだろう。しかし幸か不幸か、日本の卓球界はすでに30万人もの競技者がいて、各地で歴史ある大会が盛んに行われているので、新しい大会を開くことはかなり難しいのだ。そこで、既存の大会の試合結果を使ってレーティングを計算する方針にしたのだ。
既存の大会の結果の参加者の中には当然、レーティングを付けられたくない選手もいるから、全員を強制的に登録させることはできない。また、選手が30万人もいるので第三者が初期値を決めることもほぼ不可能だ。
以上の経緯から、選手登録は希望者が本人の意志で行い、初期値も自己申告する方針にしたのだ。
選手登録は各自が自分について一度だけすればよいことだが、大会主催者が試合結果を入力するのはかなり手間が掛かるので、よっぽど選手からの希望がなければやろうとは思わないだろう。大会主催者は、その地域でレーティング登録選手がどれくらいるかを見て、その大会をレーティング計算対象にするかどうかを決めるのだ。
だからもし、大会がないから選手登録をしないという人がいたら、大会を待たずにぜひともレーティング選手登録をしてほしい。そしてできるだけ多くの知人にも登録を勧めてほしいのだ。これは日本卓球協会が愛好者へのサービスとして行うので、登録料も年会費もない。デメリットは何もないのだ。
登録された選手が対象の大会に出ると、巧妙な計算方法によってその人の実力が数字で表される。システムでは、たとえば渋谷区の中学2年生だけのランキングや分布も見ることができるし、大会会場から携帯でアクセスして相手の選手のレーティングや過去の試合結果を見ることさえできるのだ。レーティングはランキングではないので、いつもすぐに負けるような初、中級者こそが自分の実力の変化を知ることができて、やりがいを増すものだ。
というわけで、ぜひとも選手登録を! http://jtta-rating.jp/
全日本の会場でレーティング選手登録をしている浅川くんから写真が届いた。
なかなか選手が集まらず苦戦しているようだ。しかし、ブースは結構派手に展示をしていて頼もしい限りである。
土日は私もここに行って登録作業を手伝うので、みなさん、登録しに来てください。
しかしよく考えると、このブログを読んでいる人なら、なにも全日本の会場で登録する必要はなく、以下のウエブサイトから登録をすればよいだけのことであった。http://jtta-rating.jp/
卓球映像クリエーターの仁禮さんに、とてもいい話を聞いた。
仁禮さんは、スーパーサーキットの撮影を担当したことが縁で、金擇洙と個人的に親しいという。それで、なんと金擇洙が2003年パリ大会で使ったラケットをもらったのだという。
その後、撮影で柳承敏に会った時にそのラケットを差し出したところ、柳承敏は握った途端に「これ、テクスさんのだ」と言ったという。仁禮さんが張ってあったラバーを剥がすと、そこには金擇洙のサインが現われた。
なんといい話だろうか。実はこれにはある程度タネがある。なんと柳承敏は自分のラケットを常に金擇洙に削ってもらっていたのだという。上下関係が厳しい韓国だからなのか、柳承敏が異常に金擇洙を尊敬していたからなのか、はたまた金擇洙がラケット削りに異常な能力を有していたのかはわからないが、ともかく、そのために削り方でわかったというのが真相である(左利きの劉南奎が一時コーチをクビになったのは、選手のラケットを無理やり左利き用に削ったからだろうか)。
それにしたっていい話ではないか。ちなみに仁禮さんは、そのラケットはあまりにも重くて、試合をすると1ゲームもたないのでほとんど使わないという。こちらはいい話なのかどうかはよくわからない。